「インプラントをしたいけどお金がない……」
インプラント治療は、事故や虫歯などによって歯を失っている場所に金属製の歯根を埋め込み、固定式の歯を装着する治療になります。
保険適用外の自由診療になるため、治療を行う際に高額になってしまうケースが少なくありません。
高額費用の支払いが難しく、インプラントをしたいけどお金がないと悩まれる方も多いでしょう。
そこでこの記事では、インプラント治療にかかる費用相場やお金がないときの対処法について解説していきます。
インプラント治療が高い理由や少しでも安く抑える方法についても紹介しているので、インプラントが気になっている方は参考にしてみてください。
インプラント治療にかかる費用相場
インプラント治療にかかる費用相場は、1本あたり30万〜50万円です。
インプラント治療は自由診療になるため、使用するインプラントや被せ物の種類、歯科医院の設備などによって費用が左右されます。
また、顎の骨や歯茎の状態が悪い場合は、インプラント治療の前に根管治療や矯正治療が必要で、総治療費がさらに高くなる可能性があります。
インプラント治療を検討しているなら、歯科医師に費用の見積もりを出してもらいましょう。
インプラントをしたいけどお金がないなら諦めるしかない？
インプラントは高額医療ですが、お金がないからといって諦める必要はありません。
インプラント治療をしたい場合、お金がないときの対処法や、少しでも費用を抑える方法があります。
また、歯科医師に相談することによって、どのような治療が受けられるか詳しく説明してもらえるでしょう。
お金がないからという理由で諦めないためにも、対処法や少しでも安くする方法などをチェックしてみましょう。
インプラントしたいけどお金がないときの5つの対処法
インプラントしたいけどお金がないときのおすすめの対処法は、以下の5つです。
- クレジットカード決済をする
- デンタルローンの利用する
- フリーローンを検討する
- 医療費控除を活用する
- 一定の条件を満たしているなら健康保険を適用できる
それぞれの対処法について解説していきます。
クレジットカード決済をする
お金がないと悩んでいる場合は、インプラント治療費をクレジットカード決済を利用するという方法があげられます。
クレジットカード決済後に、使用したカード会社に連絡を入れると、利用状況によって分割が可能な場合があります。
インプラントの治療費を分割にすることで、一度に高額な費用を払う必要がないため、家計への負担が軽くなりやすいでしょう。
デンタルローンの利用する
インプラント治療を受けたいけどお金がないときは、デンタルローンの利用も検討してみてください。
デンタルローンとは、歯科治療費を分割して支払うためのローンで、歯科クリニックによっては支払いに利用できます。
クレジットカードを持っていない方に向いているでしょう。
歯科クリニックで直接申し込みできる場合もあるため、費用が高いと感じる場合は歯科医にデンタルローンの相談をしてみましょう。
フリーローンを検討する
フリーローンを活用し、インプラント治療を受けるという方法もあります。
フリーローンは、銀行やクレジットカードなどが提供しているサービスで、資金の使い道が定められていません。そのため、フリーローンを活用してインプラント治療を受けることは可能です。
お金がないけどインプラントをしたいときは、金融機関に相談してみてください。
医療費控除を活用する
インプラント治療を受けたいけどお金がないときは、医療費控除の活用もおすすめです。
そもそも医療費控除制度とは、1年間で支払った医療費または薬代が10万円を超えるときに、税金が還付・軽減される制度です。
たとえば、所得が400万円でインプラント治療が100万円だった場合、400万円から100万円を差し引いた300万円に対して税金が算出されます。
税金負担の軽減という形で、インプラント治療にかかる費用を抑えられます。
少しでもインプラント治療にかかる費用負担を抑えたい場合は、確定申告で医療費控除を活用しましょう。
一定の条件を満たしているなら健康保険を適用できる
インプラント治療は、事故の外傷や腫瘍などの原因で広範囲（1/3以上）の顎の骨を失ったり、先天的な理由で永久歯がなかったりする場合は、健康保険が適用されます。
保険が適用された場合は、高額なインプラント治療を大幅に下げられるため、治療を受けやすいでしょう。
ただし、どこの歯科医院でも保険が適用されるわけではなく、以下の医療機関が対象になります。
- 歯科または口腔外科の病院
- 当直制度を整備している
- 医療機器保守および医薬品の安全を確保した体制が整っている
- 歯科または口腔外科として5年以上の経験がある歯科医師が2名以上いる
大学病院などの大きな医療機関でしか保険適用が難しいため、自身が上記の保険適用条件に該当しそうな場合には、歯科医師に相談するとよいでしょう。
インプラント治療が高い理由
インプラント治療が高い理由は、4つあります。
- 保険適用外の自由診療であるため
- 高度な技術が求められるため
- 設備や材料、人材の費用がかかるため
- 長期間の治療を要するため
それぞれの理由について解説していきますので、インプラント治療が気になっている方は参考にしてみてください。
保険適用外の自由診療であるため
インプラント治療が高い理由は、自由診療になるためです。
健康保険に加入していると、医療費の約3割を自己負担で支払います。
しかし、保険が適用される医療費の対象は、虫歯や歯周病、抜歯などの治療です。
事故の外傷や腫瘍などの原因で広範囲（1/3以上）の顎の骨を失ったり、先天的な理由で永久歯がなかったりするなど、特定の条件を満たしていない場合は自由診療になります。
高度な技術が求められるため
インプラント治療が高い理由は、高度な技術を求められるためです。
インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込む外科処置を行います。そのため、患者の健康状態や顎骨の質・量などを総合的に判断して治療を行うか計画を立てる知識や技術が求められます。
インプラント治療に必要な技術や経験が必要で、限られた医師しか対応できない点から費用が高いです。
設備や材料、人材の費用がかかるため
インプラント治療は高度な医療技術が求められるだけでなく、設備なども整っている必要があります。
インプラント治療は外科処置を行うため、感染リスクを最小限に抑えるために徹底した衛生管理が必要です。そのため、専用の手術室や滅菌設備の整備などのさまざまな対応・環境が求められます。
また、インプラントの質が悪いと、破損してしまったり再度治療が必要になったり、痛い・噛めない・長持ちしないといったトラブルにつながったりします。そのため、生体に対し安全で長持ちする高品質なインプラントを使用することが望ましく、その分費用も高くなってしまいます。
インプラント治療には、インプラントに精通した歯科医師や歯科衛生士だけでなく、多くの職種が関わります。器材の滅菌や管理、手術室の整備などを行う歯科助手や、手術の際にアシスタントをするスタッフ、手術で全身麻酔や静脈内鎮静を使う場合には歯科麻酔科医、歯の部分を作る歯科技工士など、多くの人材が必要です。
設備や材料の費用や、治療に必要な人材に対する人件費がかかってしまうため、インプラント治療は高額になりやすいです。
長期間の治療を要するため
インプラント治療が高額になる理由は、長期間の治療が必要なためです。
歯のない部分にインプラントを顎骨に埋め込む治療ですが、顎の骨にインプラントが定着するのに3ヶ月ほど待機期間が必要です。そこから型取りなどの工程を踏んで、最終的な歯が入るまで、トータルで5〜6ヶ月の治療期間がかかります。
もし、インプラントを埋め込みたい部分の顎の骨の量や高さが不足している場合には、顎の骨を増やす手術も必要で、骨ができるまでに3〜9ヶ月待つ必要があります (骨を増やす手術の方法によって期間は異なる)。そのため、骨を増やす手術をする場合には、インプラントの最終的な歯が入るまでの治療期間は8ヶ月〜1年半かかることになります。
また、インプラントをする箇所以外の歯など、口の中全体が良い状態でなければ、インプラント治療をすぐに行えません。
口の中の環境が悪いと、インプラントをした歯茎や顎の骨に炎症が起きてトラブルになり、痛みや噛めないといった症状が出るだけでなくインプラントも長持ちしないからです。
インプラントをする箇所以外に、ひどい虫歯があったり歯周病がある場合には、インプラント治療を行う前に虫歯治療・根管治療・歯周病の治療が必要です。
もし歯並びや噛み合わせが悪いと、インプラントにも噛む力の負担が異常にかかったりしてインプラントの破損やトラブルにつながるので、矯正治療が必要になります。
インプラントを長持ちさせるためには、口の中の環境を整える必要があるため、さまざまな治療が必要だと治療期間も長くなり、治療費用も高額になりやすいです。
インプラント治療を少しでも安く受ける2つの方法
インプラント治療を少しでも安く受ける方法として、以下の2つが挙げられます。
- 複数の歯科医院で見積もりを取る
- ブリッジや部分入れ歯を組み合わせた治療を行う
それぞれの方法について解説していきます。
複数の歯科医院で見積もりを取る
インプラントの費用を少しでも抑えたい場合は、複数の歯科医院で見積もりを取りましょう。
歯科医院によって設備や技術、インプラントに使用する素材やメーカーが変わります。
相見積もりを取ることで、少しでも費用が安い歯科医院を選べるでしょう。
ただし、価格重視で選ぶだけでなく、技術や経験、保有資格もチェックしてください。
たとえば、価格が安かったとしても、技術や経験が乏しい場合、インプラント治療後にトラブルが発生し、再度治療が必要になってしまうという可能性もあります。
長く使い続けるためにも、経験や技術を含めて総合的に判断するのがおすすめです。
ブリッジや部分入れ歯を組み合わせた治療を行う
インプラントは、顎骨に人工の歯根を埋めるため、自然な噛み心地や強い咀嚼力が魅力です。
しかし、すべての歯をインプラントにすると、高額になってしまうケースは少なくありません。
インプラントだけでなく、ブリッジや部分入れ歯などの組み合わせを行うことで、治療費用を抑えることが可能です。
例えば、前歯など見た目を重視したい箇所にはインプラント、奥歯の方で見えにくい箇所にはブリッジや部分入れ歯、のように組み合わせることも検討しましょう。
少しでも費用を抑えたい場合は、かかりつけ医にブリッジや部分入れ歯を含めた治療を相談してみてください。
価格が極端に安いインプラント治療には要注意
インプラントの治療費用が極端に安い場合は、注意しましょう。
治療費用が極端に安いときに考えられる理由は、以下の3つです。
- 安全性や質の悪い材料を使用している
- 質が低い技工士に被せ物を発注している
- 費用がすべて記載されていない
たとえば、インプラントや被せ物の質が低い場合は、安く治療を受けられる可能性があります。
ただし、インプラントや被せ物の質が低いと、食事をしている際に破損したり、歯周病などの原因につながったりします。
また、安価なインプラントを出しているマイナーなメーカーのインプラントだと、トラブルになった際や引越しなどで転院した際、歯科医院で対応が難しく、再治療でインプラントをやり直すことになります。その場合には二重にインプラント治療費がかかることになるので、結局は高くついてしまうことになります。
トラブルにつながるようなさまざまな要因が考えられるため、極端に治療費用が安い場合は注意しましょう。
インプラントをしたいけどお金がない方は歯科医院に相談してみよう
インプラントをしたいけどお金がないという方は、信頼できる歯科医院に相談してみましょう。
デンタルローンやクレジットカード決済など、さまざまな方法を提案してくれます。
また、歯を補う必要のある箇所すべてをインプラント治療にするのではなく、ブリッジや部分入れ歯などを併用した治療なども提案してもらえる可能性があります。
少しでも費用を抑えながら審美性の高い状態にできるため、お金がないと悩んでいる方は歯科医院の医師に相談してみてください。
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