「インプラントやめた方がいいよ」というようなことを言われると、大きな不安を持ちますよね。インプラントをやめた方がいいのかなと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
インプラントによる修復は、歯を失った部分の補綴の最高峰です。最初のインプラント治療から50年以上が経ち、失った歯を補う治療法として確立し、インプラントの長期予後も90%以上と報告されています。
しかし、インプラントはすべての人に理想的というわけではありません。不安なことがあれば、主治医とよく話し合うことが重要です。
この記事では、インプラントをやめた方がいいと言われる10の理由についてご紹介します。
もしあなたが「やめた方が良い」と言われたとき「なぜなのか」をよくよく理解いただけるはずです。ぜひ最後までお読みいただき、インプラントの検討にお役立てください。
インプラントはやめたほうがいいと言われる10の理由
そもそも、なぜインプラントはやめたほうがいいと言われているのでしょうか。主な理由を10個紹介します。
- 成長過程の年齢だから
- 喫煙者だから
- 歯軋りや食いしばりがあるから
- 口腔の健康状態が悪いから
- 癌治療を受けているから
- 糖尿病を患っているから
- 血液疾患があるから
- 自己免疫疾患があるから
- 精神・神経系疾患があるから
- 保険適応外で高額になるから
成長過程の年齢だから
年齢は、インプラントをやめる理由となる重要な要素です。
成長発育過程にある子供やティーンエイジャーに対するインプラント治療は、顎骨の成長や大人の歯が通常の位置に発達するのを妨げる可能性や治療後に自分の歯とインプラントの間にずれを生じる可能性が指摘されています。
成長停止時期は個人差があるため、適切な診療と検査が必要になります。成長発育過程にある子供のインプラント治療を成功させるためには小児歯科医、矯正歯科医、補綴歯科医、口腔外科医を含む歯科多職種チームの連携が必要です。
参考:Dental implants in children: A multidisciplinary perspective for long-term success – PMC
喫煙者だから
たばこにはニコチン、一酸化炭素、シアン化水素などの化学物質が含まれています。これらの化学物質は、体が顎に十分な血液を供給するのを妨げます。
また、体が正しく治癒する能力を阻害します。研究によると、喫煙者は非喫煙者と比べて失敗するリスクが1.4倍になります。
さらに、喫煙はインプラント周囲炎を悪化させる要因であり、長期予後にも影響を及ぼします。インプラント治療に先立ち、禁煙をおすすめしますが、どうしてもやめられない方はインプラントは向かないかもしれません。
参考
The Long-Term Effect of Smoking on 10 Years’ Survival and Success of Dental Implants: A Prospective Analysis of 453 Implants in a Non-University Setting – PMC(nih.gov)
Smoking and dental implants – PMC(nih.gov)
Smoking and Dental Implants: A Systematic Review and Meta-Analysis – PMC(nih.gov)
歯軋りや食いしばりがあるから
歯ぎしりや食いしばりの際に生じる強い圧力により、インプラントに過負荷がかかり、緩んだり破損したりする可能性があります。
また、インプラント周囲の骨が吸収され、インプラントの安定性と寿命が損なわれる可能性があります。
しかし、歯ぎしりをする場合でもインプラント治療は可能です。ナイトガードを使用することで、歯ぎしりをするときに生じる過度の力を軽減できます。
参考
Assessment of Survival Rate of Dental Implants in Patients with Bruxism: A 5-year Retrospective Study – PMC(nih.gov)
Bruxism and dental implants: A systematic review and meta-analysis – PubMed(nih.gov)
口腔の健康状態が悪いから
インプラントは入れておしまいという処置ではありません。最高の状態を保つには生涯にわたる適切な口腔ケアが必要です。
口腔ケアには、徹底したブラッシング、フロス、定期的な歯科検診が含まれます。なぜ口腔ケアが必要なのでしょうか?
インプラントも歯周病になります。インプラント周囲炎といいます。口腔内は細菌の脅威にさらされています。
インプラントの周りに細菌が蓄積すると、歯肉が弱くなり、最終的には支持骨が弱くなり、インプラントが機能しなくなります。そのため、インプラントを維持するためには、健全な口腔ケアが不可欠です。
参考:Peri-implantitis – PubMed (nih.gov)
癌治療を受けているから
癌治療に使用される薬の中には、骨の治癒時間が長くなったり、顎の骨が壊死したりすることがあると報告され、インプラント治療の成功が危うくなると言われています。
一方で、最近ではインプラントの手術は、顎の骨の壊死のリスク因子には寄与しないとの報告もあります。化学療法中にはインプラント手術が行われないことが多いですが、各化学療法サイクルの終了時に行うことができます。
口腔内や顎顔面領域の癌で顎の骨を広範囲に切除した場合や放射線治療を受けた患者にとっては、インプラント以外で歯を補うことができないため、QoL維持のためにも有効な治療になっています。
参考
Dental implant treatment in patients with cancer on high‐dose antiresorptive medication: A prospective feasibility study with 2 years follow‐up – Hjortholt – 2024 – Clinical Oral Implants Research – Wiley Online Library
On the effect of antiresorptive drugs on the bone remodeling of the mandible after dental implantation: a mathematical model – PubMed (nih.gov)
https://www.jsoms.or.jp/medical/pdf/2023/0217_1.pdf
糖尿病を患っているから
血糖コントロールが不十分だと、神経や血管の損傷につながる可能性があります。この損傷により、歯茎への血液と栄養素の流れが減少し、歯茎が感染しやすくなる可能性があります。
しかし、血糖値が適切にコントロールされ(HbA1cが6.9%未満)、適切な治療計画、予防的治療、および十分な術後メインテナンスを受けていれば、インプラントは安全な治療法です。
参考
Dental implant survival in diabetic patients; review and recommendations – PMC(nih.gov)
Diabetes Mellitus and Dental Implants: A Systematic Review and Meta-Analysis – PMC(nih.gov)
血液疾患があるから
血液疾患には、血友病などの先天性血液凝固因子欠乏症、血小板減少性紫斑病、白血病、貧血などがあります。
出血のコントロールができる場合はインプラント治療を行うこともできますが、慎重な術前計画と多分野の医療チームによって治療計画と作成する必要があります。
参考
Success criteria for dental implant operations in patients with congenital bleeding disorders – Akbıyık Az – 2019 – Clinical Oral Implants Research – Wiley Online Library
Bleeding Disorders and Dental Implants: Review and Clinical Indications – PMC
自己免疫疾患があるから
免疫反応の異常を抑えるために、ステロイド薬や免疫抑制剤が投与されていることがあります。
これらの薬は免疫系を抑制することで作用し、治癒しにくくなる可能性があります。この治癒の遅れと感染リスクの増加により、インプラント治療が失敗する可能性が高まります。
しかし、他の疾患と同様に、綿密な治療計画と術後メインテナンスによって、高い成功率の報告もあります。
精神・神経系疾患があるから
うつ病などの精神疾患の治療に一般的に処方される薬(特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬:SSRI)の使用とインプラントの失敗との間に関連があると示唆されています。SSRIや他の抗うつ薬は骨の代謝に影響を及ぼし、インプラントと骨の結合を遅らせることが知られています。
また、うつ病やその他の精神疾患は免疫機能を低下させ、口腔衛生習慣の低下につながり、延いてはインプラントの失敗につながります。
パーキンソン病などの神経系疾患を患っている方は、手指の運動障害が生じることがあります。この場合、口腔内のメインテナンスが困難となりインプラント予後不良となってしまいます。インプラント治療後に発症した場合には、上部構造を、メインテナンスが容易な形態に変更することもできますので主治医に相談しましょう。
参考
Evidence Brief: Impact of Mental Health Conditions on Peri-implantitis and Dental Implant Failure – NCBI Bookshelf
Is there an association between the use of antidepressants and complications involving dental implants? A systematic review and meta-analysis – PubMed
Relationship between stress, depression and periodontal disease – PubMed
Oral health and implant therapy in Parkinson’s patients: review – PMC
保険適応外で高額になるから
高品質のインプラントは決して安くありません。保険適応外の自由診療になるため、病院によって値段が違い、インプラント1本当たりの相場は30万~50万円といえるでしょう。
複数本になればもっと高額になりますが、メインテナンス次第では数十年はもち、QoLが上がることを考えれば、高額な料金は正当化されるかもしれません。40万円のインプラントを20年使用すれば、1日当たり55円ほどです。缶コーヒーを飲むよりもずっと安いです。
資金がたまっていなくても、デンタルローンなどのサービスを利用すれば治療を開始することもできます。
また、医療費控除の申告をすれば、税金の還付が受けられます。確定申告をするときに行いますので、領収書は必ず保管しておきましょう。病院によっては分割払いに対応していることもありますので、主治医と相談してください。
参考
デンタルローン |カードローン・各種ローン|イオン銀行
デンタルローンとは?利用するメリット・デメリットと審査の条件や金利も紹介|カードローンならJCB
インプラントをやめたほうがいいか決める判断基準
インプラントをやめたほうがいいか、判断するための基準をいくつか紹介します。
改善が望めない疾患を有する場合|残念ながらインプラントはできません
まず、以下のような改善が望めない疾患をお持ちの方は、残念ながらインプラント治療ができません。
- 重症心臓病(重症心不全)
- 末期の悪性腫瘍患者
重症心臓病(重症心不全)
心臓が全身に十分な血液を送り出せなくなった状態です。薬物治療や非薬物療法など、すべての有効な治療が実施または検討されたにもかかわらず、症状が改善されない状態や日常生活に大きな制約をもたらす場合はインプラントはできません。
末期の悪性腫瘍患者
がんが進行し、治癒を目指した治療が効果を示さず、進行性かつ治癒困難な状態ではインプラントはできません。
状態が改善されない、あるいは、症状がコントロールされていない疾患を有する場合|綿密な治療計画と対策でインプラント治療は可能
また、状態が改善されない、あるいは症状がコントロールされていない疾患がある場合。治療をするために、綿密な治療計画と対策が必要になります。
- 歯ぎしり・食いしばり
- 口腔の健康状態が悪い・重度歯周病
- 重度糖尿病
- 出血コントロールができない血液疾患
- 自己免疫疾患
- 精神・神経系疾患
- 半年以内に発作が起きた心疾患
- 脳血管障害
- 骨粗鬆症
- 金属アレルギー
- 歯科恐怖症
歯ぎしり・食いしばり
インプラントに過負荷がかかり、破損する可能性があります。
口腔の健康状態が悪い・重度歯周病
インプラントの周りに細菌が蓄積すると、歯肉や支持骨が弱くなり、インプラントが機能しなくなります。
重度糖尿病
神経や血管の損傷につながる可能性があります。
出血コントロールができない血液疾患
止血が困難になりますので、インプラントを含む外科処置には注意が必要です。
自己免疫疾患
服用している薬によっては、インプラントの手術の後、治癒しにくくなります。
精神・神経系疾患
服用している薬によっては、インプラントの手術の後、治癒しにくくなります。
半年以内に発作が起きた心疾患
再発リスクが高いですし、抗凝固薬や抗血小板薬を服用している場合が多いですので、止血がしにくいです。
脳血管障害
止血が困難になりますので、インプラントを含む外科処置には注意が必要です
骨粗鬆症
骨密度が低いとインプラントが骨にしっかりと結合しないことがあります。また、ビスフォスフォネートなどの骨粗鬆症治療薬を使用している場合、骨の治癒を妨げる可能性があります。
金属アレルギー
インプラント治療を始める前に、金属アレルギーの有無を確認するためのパッチテストや血液検査を受けることが重要です。インプラントには主にチタンが使用されますが、ジルコニアなどの代替材料もあります。
歯科恐怖症
インプラント治療は1回では終わりません。恐怖心から治療が中断してしまわないように主治医とよく話し合い、不安をなくしてから治療をしましょう。静脈内鎮静法や笑気ガスなど、リラックスできる麻酔方法を利用することができます。
インプラント治療をやめたほうがいい人の特徴
インプラント治療をやめたほうがいい人の特徴を3つ紹介します。
- 喫煙者
- 妊娠中の人
- 抗がん剤を服用中の人
喫煙者 | 禁煙をしてからインプラント治療に臨みましょう。 |
---|---|
妊娠中 | 妊娠中のインプラント治療は、母体や胎児に影響を与える可能性があるため、一般的には避けることが推奨されます。特に、妊娠初期(1~3ヶ月)と後期(7~9ヶ月)は避けましょう。 |
抗がん剤を服用中 | 骨の治癒時間が長くなったり、顎の骨が壊死したりすることがあります。 |
複数の疾患を有する場合も少なくありません。身体的、心理的、経済的に少しでも不安があるようでしたら、よく調べて、主治医と相談し、納得したうえで治療することをおすすめします。
インプラント以外の治療法との比較
失った歯を補う方法としては、ブリッジや入れ歯があります。保険治療は材料に制限がありますので、自費のものもあります。
- ブリッジ:失った歯の両隣の歯を削り、橋渡しのように人工の歯を固定する治療法です。
- 入れ歯:残っている歯にクラスプと呼ばれる金属の留め具を引っ掛けて固定しますが、取り外しが可能です。
保険ブリッジ | 自費ブリッジ | 保険入れ歯 | 自費入れ歯 | |
---|---|---|---|---|
治療費 | 13,000円~* | 150,000円~** | 5,000円~* | 200,000円~** |
治療期間 | 2、3回、2~3週間 | 3、4回 3~4週間 |
4回程度 1~2か月 |
4回程度 1~2か月 |
メリット | 安価 | 非常にきれい。プラークコントロールがしやすい | 安価 | 適合が良く違和感が少ない。 審美的に良いものもある |
デメリット | 審美的に劣る。汚れやにおいがつきやすい | やや高額 | 違和感が大きい。壊れやすい | 高額 |
*3割負担の場合です。 **自由診療ですので歯科医院によって違います。
なお、歯の本数によって治療費は変わってきます。
永田歯科でインプラントをやめた方の事例
永田歯科医院でインプラントをやめた方の事例をいくつか紹介します。
体調面に不安がある。
多くの場合、複数の疾患を抱えています。毎週のように違う病院に通い、それだけで大変と感じる方も少なくありません。さらに、インプラント治療は外科処置を伴いますので、インプラント以外の治療法を選ばれる方もいます。
費用の工面
他の治療法と比較すると高額です。実際に費用面でインプラントを断念する方が圧倒的に多いです。
治療期間
ケースによりますが、半年から1年はかかります。待てない方も多いです。
外科処置に対するトラウマ
インプラントは外科処置を伴います。処置中は麻酔をしますので痛みはありませんが、麻酔で気分が悪くなる場合もあります。
家族の反対
お年を召した方に多いです。
金属アレルギー
インプラントにはチタンという金属が使われており、ペースメーカーや人工関節などにも用いられる、身体に親和性の高い素材です。事前にパッチテストをし、確認が必要です。金属を使用しないインプラントもありますのでご相談ください。
メインテナンス等、術後のことを考えると近くを希望(立地)
通うことがストレスになってはいけませんので、ご自身が通いやすいところを選ぶ方がいいと思います。
過去インプラント治療したが、悪くなって抜けたのでもう嫌だ
なぜ悪くなって抜けたのか、原因を考え、治療プランを一緒に考えますので、不安があればご相談ください。
高齢
高齢だからインプラントができないということはありませんが、複数の疾患を持っていることが多いですので、注意が必要です。多くの方は、「もう年だし、何年生きるかわからないから、お金をかけなくていい」という理由が多いように感じます。
インプラント治療をやめたほうがいいか判断できないときは永田歯科へ
「インプラントって何?」
「インプラント怖いな。インプラントで失敗した話をよく聞くけど……」
「もう年だし、持病があるけどインプラントできるかな?」
「インプラントは高いしな……」
上記のようなわからないこと、不安なことがありましたら、まずは永田歯科医院へ相談にいらしてください。
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まとめ:インプラントをやめたほうがいいかは歯科医に相談しよう
インプラントをやめた方がよいと言われる10の理由を紹介しました。
材料や技術の進歩もあり、本当にインプラントをやめた方がいい場合は減ってきました。
重度心臓病や末期の悪性腫瘍などはインプラントはできませんが、それ以外はしっかり病態がコントロールできていれば可能性があります。まずは主治医とよく話し合いましょう。

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