前歯のインプラントを考えているけれど、どうなのだろう?
インプラント治療は外科手術を含む、非常に高度な治療法です。基本的に保険外適応のため、治療費も高額になります。高いお金を払う価値があるのかどうか迷っている方も多いのではないのでしょうか。
現在のインプラントは1965年にスイスで確立し、日本でインプラント治療が始まったのは1990年のことで、比較的歴史の浅い新しい治療方法です。インプラント治療を安全に行うためには、多領域に及ぶ専門的な基礎的・臨床的知識、高い倫理性が歯科医師に求められます。
その中でも特に前歯のインプラントは難易度が高く、歯科医師による確かな診断力と技術力、経験値が必要です。そのため、前歯のインプラントを考えている場合は歯科医院選びをしっかり行う必要があります。
また、前歯のインプラント治療ならではのメリット、デメリットも存在します。どちらも理解したうえで、治療を検討してみるとよいでしょう。
本記事では、前歯のインプラントが難しい理由、歯科医院選びのポイント、前歯のインプラントのメリット・デメリット、治療の流れや気を付けるべきことについて詳しく説明していきます。前歯のインプラント治療を受けようか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
前歯のインプラントは信頼できる歯科医師にやってもらおう
前歯のインプラントは、必ず信頼できる歯科医師にやってもらいましょう。
前歯のインプラントは、簡単ではありません。難易度が高いとされる理由と歯科医院を選ぶときのポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
前歯のインプラントは難易度が高い
歯を失った部分の治療として広く広まったインプラントですが、実は前歯のインプラント治療は難易度が高い部類の治療になります。治療を難しくする理由について見ていきましょう。
前歯の顎の骨が薄いため
奥歯と比べ、前歯の顎の骨は圧倒的に薄くなっています1。インプラントを埋め込むために、顎の骨に穴を開ける必要がありますが、前歯の顎の骨は幅や厚みが少ないため、インプラントを埋めるスペースが小さくなってしまいます。そのため埋入の位置が限られてしまい、結果としてインプラント手術の難易度が上がります。
また、前歯の顎の骨は痩せやすいという特徴もあるため、抜歯前の歯の状態が悪かったり、抜歯から時間が経ってしまうと顎の骨が大幅に少なくなってしまいます。
このように顎の骨が不足している場合は、骨を増やす治療が必要になってきますが、そのためには歯科医師による確かな診断と技術力、経験値が必要不可欠になります。
前歯の歯茎が薄いため
前歯は骨だけでなく、歯茎も薄いという特徴があります。特に抜歯後に歯茎が薄く厚みが不十分なまま治療を行ってしまうと、治療中や治療後に歯茎が下がる可能性があります。
そのため、しっかりと診査・診断を行い、必要に応じて歯茎の移植術を行い、歯茎の厚みを増やす必要があります。この歯茎の移植手術を行うためには、歯科医師の歯周病的専門知識と高い技術力、経験を要します。
周りの歯と調和が取れた綺麗な前歯を作る必要があるため
前歯は顔の印象を左右するパーツであるため、周りの歯と調和がとれた綺麗な歯を作る必要があります。
インプラントを自然に見せるためには、周りの歯とのバランスを考えて、限られたスペースの中で一番良い位置に埋入し、かつ人工歯そのものを形や色調だけでなく、歯茎の露出度も周りの歯と合わせながら作る必要あります。
歯科医師の力量はもちろん、かぶせ物を作る歯科技工士との連携も重要になってきます。
信頼できる歯科医院をしっかり選ぼう
上記の理由で、前歯のインプラントは精密な診断と高い技術力が必要とされる治療です。
そのため、前歯のインプラントを行うときは信頼できる歯科医師が在籍する歯科医院選びをしっかり行いましょう。気を付けるべきポイントを以下に挙げていきます。
- インプラント専門の歯科医師がいるか
- 歯周病専門の歯科医師がいるか
- 症例数が多く治療経験が豊富であるか
- CTや手術室、滅菌機などの院内の設備がしっかりしており、衛生管理されているか
- 保障制度や料金形態が明確であるか
- 通いやすい場所にあるか
- カウンセリングや問診が丁寧か
- 歯科医師の説明が明確かどうか、質問にちゃんと答えてくれるか
- 歯科医師に何でも質問しやすい、話しやすい雰囲気があるか
- スタッフの雰囲気がよく円滑にチームワークしているかどうか
インプラント治療は長期にわたって歯科医院に通うことになります。安心して治療を受けるために、慎重に病院を選び、気になることがあったら遠慮せずに質問し、不明点がないようにして治療を受けましょう。
前歯をインプラントにするメリット3つ
前歯をインプラントにするにあたって、大きく3つのメリットがあります。
- 周りの歯に負担がかからない
- しっかりと噛むことができる
- 見た目が良い
周りの歯に負担がかからない
インプラントは周りの歯に負担をかけることなく行える治療です。歯を失った部分の顎の骨にインプラントの土台を打ち込むため、隣の歯を削ることなく治療を行うことができます。
一方で、ブリッジは両隣の歯を削って作るため、場合によっては健康な歯を削る必要が出てきます。そして入れ歯は近くの歯に金具をかけて支えとするため、土台の歯に負担がかかり続けます。
ブリッジや入れ歯と比べたときに、周りの歯に負担をかけないというインプラントの特徴は大きなメリットになります。
しっかりと噛むことができる
インプラントは硬いものでもしっかりと噛むことができます。
入れ歯を使用した場合、噛む力は自分の歯と比べて大幅に下がります。2自分の歯と比べて、入れ歯の噛む力は半分以下まで下がると言われています。
ブリッジは両隣の歯に噛む力を負担させます。土台となる歯の状態にもよりますが、ブリッジの噛む力は自分の歯と比べて60-80%程度にとどまると言われています。
インプラントは顎の骨に土台である人工の根を埋め込み、骨と結合させるため、自分の歯とほぼ同等の力で噛むことができます。この利点によって、自分の歯と変わらない食生活を送ることができます。
見た目が良い
インプラントは見た目が良く自然に仕上げることができます。インプラント治療では、土台である人工の歯根部分を顎の骨の中に埋め込み骨と結合させるため、天然の歯と似たような単独の構造を持ち、かつ自分の歯とそっくりな見た目を実現することができます。
一方で、部分入れ歯は金属のバネが必要のため、前歯の場合は特に目立ちます。
また、インプラントの人工歯の部分はセラミックやジルコニアで作成されます。これらの素材は透明感があり、色調を自分の歯に近い形で再現する事ができるため、周囲の歯と調和がとれた歯を作ることが可能です。
長期予後が良い
インプラントはしっかりとお手入れをしていれば、長く持ちます。実際の成功率は、患者様の口の中の状態や、歯科医師の経験・技術によって大きく変わりますが、一般的にインプラント治療後の10年から15年の生存率は上顎で約94%程度、下顎で94%程度であると報告されています。
また、抜歯してすぐインプラント治療を行った場合や、骨移植を行ったケースでは生存率が若干下がるものの、87-92%程度だと言われています3。
前歯のインプラントのデメリット
前歯のインプラント治療はメリットだけではありません。以下のようなデメリットもいくつかあります。
- 歯茎が下がり、見た目が悪化する可能性がある
- 骨や歯茎を足す必要があるケースがある
- 周りの歯が動く可能性がある
- 保険適応外のため費用がかかる
このような懸念点も踏まえつつ、歯科医師と相談しながら治療を行うかどうか検討してください。
歯茎が下がり、見た目が悪化する可能性がある
インプラント周囲の歯茎が下がることで、見た目が悪くなることがあります。歯茎が下がる原因として以下のようなことが挙げられます。
前歯まわりの骨や歯茎が薄い
前述のとおり、前歯周囲の骨は薄くなっているため、骨が痩せやすくなっています。人によっては歯茎が薄い場合もあります。実は、成功の基準を満たしているインプラントであっても、インプラント周囲にわずかな骨の吸収が起こります。このように治療後に骨が痩せてしまうと、骨を覆っている歯茎も同時に下がっていきます。歯茎が下がると金属の部分が見えるようになってしまい、見た目が悪化することがあります。
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎は歯茎が下がる主要な原因です。インプラント治療後に、日々の歯みがきが不十分だとインプラントの周りや歯茎の間にプラークと呼ばれる細菌の固まりがたまっていきます。
そのままプラークが落とされることがなくたまっていくと、歯茎が炎症を起こし、インプラントを支えている骨を溶かして行きます。この歯周病に似た病気をインプラント周囲炎と呼びます。4,5
インプラント周囲炎の進行によって骨が溶けていくと、歯茎が下がります。これによってインプラントの見た目が悪くなる原因となります。最悪の場合インプラントの脱落を引き起こすため、インプラント周囲炎を予防していくことが重要です。
インプラント治療後に審美障害が生じた場合は、状況により二次的な骨移植や歯茎の移植などの対策が必要になることもあります。6
骨や歯茎を足す必要があるケースがある
顎の骨や歯茎の状態によっては、顎の骨や歯茎を足す手術が必要になります。先述の通り、前歯は顎の骨や歯茎が薄いケースがあります。順番に見ていきましょう。
骨が薄いケース
骨の幅が足りなかったり、薄い場合は骨を足す手術を行います。これは骨造成(こつぞうせい)と呼ばれる治療です。代表的な骨移植材には次のようなものがあります。
自家骨 (じかこつ) |
自分の骨を取ってきて移植する方法。主に下顎の一部から骨を採取する。 採取した骨はブロックあるいは粒のように細かくして使用する。 メリット デメリット |
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異種骨 (いしゅこつ) |
タンパク質を除去し、ミネラル成分のみを残した動物の骨。主にウシの骨が使われる。
メリット デメリット |
人工骨 (じんこうこつ) |
人工的に作り出された材料で、これまで臨床で多く用いられているものは、ハイドロキシアパタイト(HA)とβ- リン酸三カルシウム(β-TCP)である
メリット デメリット |
これらの材料を使用目的に合わせて使い分け、安定したインプラント治療が行えるような骨の形にしていきます6。
歯茎が薄いケース
歯茎が薄い場合は、歯茎の移植手術を行うことがあります。
インプラント周囲の歯茎は、大きく分けると角化粘膜と可動粘膜と呼ばれる2種類の歯茎から成り立ちます。
角化粘膜 | 歯の根元周辺にある、しっかりとくっついている硬い歯茎のこと。厚みがあり、食事や歯ブラシといった外からの刺激に強いという特徴があります。 角化歯肉が不足していると、歯茎が下がるリスクが高まり、また口腔清掃が難しくなるためインプラント周囲炎のリスクが高まります。 十分な角化粘膜があると歯茎の形が安定するため、前歯のインプラントでは重要なポイントになります。 |
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可動粘膜 | 骨にくっついていない、粘膜を引っ張ると動く薄い歯茎のことです。咀嚼、発音、飲み込みなどの機能時に、筋肉の動きに伴って変形します。可動粘膜は歯ブラシや食事による外からの刺激に弱く、傷つきやすいという特徴があります。 |
ここで、前歯のインプラントでは見た目が関係してくるため、角化歯肉の幅や厚みが重要になってきます。前歯の歯茎を足す手術で一般的に行われるのが、結合組織移植術(Connective Tissue Graft、CTG)です。
結合組織移植術(Connective Tissue Graft、CTG)とは?
インプラント周囲の歯茎の厚みを増やすことを目的として行われます。主に上顎の口蓋の歯茎を切り取り、歯茎が下がってしまった部分に移植します。CTGには以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ・歯茎の厚みを増やすことができるため、歯磨きがしやすくなる ・歯茎がへこんでいる部分のインプラント治療ができるようになる ・見た目が良い被せ物を作りやすくなる ・インプラントを長持ちさせることが期待できる |
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デメリット | ・治療の難易度が高いため歯科医師の技術力が必要 ・自費治療となるため費用がさらにかかる |
周りの歯が動いてしまうことがある
治療後時間が経つと、インプラントの周りの歯が動いてしまうことがあります。インプラントは土台と骨が強固に結合して動かないのに対し、天然の歯は動くため、時間とともに歯が移動するという特徴があります。
このように、周りの歯が動くことによって、時間が経つにつれて以下のような事態が起こる可能性があります。
- 歯と歯の間に隙間ができてしまう
- 周りの歯との調和が崩れ、見た目が悪くなる
- 歯並びが悪くなる
- かみ合わせのバランスが崩れ、一部の歯に負担がかかってしまう
保険適応外のため費用がかかる
インプラント治療は基本的に自由診療であるため、保険適用外治療になります。医院によって値段設定が異なりますが、インプラント治療は、1本あたり総額で約30〜50万円が相場になります。
さらに骨を足す手術や歯茎の幅を増やす手術を行う必要があるケースは、追加費用がかかります。
このように、前歯のインプラントを行うには高額な費用が必要となるため、患者の金銭的負担が大きくなるというデメリットがあります。詳細な金額はかかりつけの歯科医院に問い合わせてみましょう。
前歯のインプラントの流れ
ここからは、前歯のインプランを行ううえで知っておきたい流れや治療期間、費用について紹介します。
治療の流れ
インプラントの基本的な流れは以下の通りです。
- 初診
- インフォームドコンセント
- 術前検査
- 診断と治療計画立案
- 必要に応じて前処置
- インプラント体埋入手術(一次手術)
- アバットメントの連結(二次手術)
- 暫間上部構造の作成、装着
- 最終上部構造の作製、装着
- リコールとメインテナンス
ステップ1.初診
まずは医療面接、問診、口腔内検査を行います。全身疾患の有無や、アレルギー、生活習慣を確認します。全身疾患の既往や内服薬によっては、インプラントができない場合がありますので、しっかり確認します。
ステップ2.インフォームドコンセント
インプラント治療がどういったものであるかの説明と、検査の必要性の説明、本当に治療を行っていくのかの同意を取ります。
ステップ3.術前検査
全身的な検査、デンタルX線撮影やCT撮影といった画像検査、局所の検査を行います。
ステップ4.診断と治療計画立案
ステップ1から3を踏まえて総合的な診断を行い、インプラント治療を行っていく治療方針を計画します。
ステップ5.必要に応じて前処置
必要な場合は抜歯、骨移植を行います。
ステップ6.インプラント体埋入手術(一次手術)
インプラントは手術が1回で終わる1回法と、2回行う2回法があります。
最初の手術は共通で、骨の中にインプラントの土台を埋める手術を行います。1回法の場合、インプラントの土台を埋入した後にヒーリングキャップと呼ばれる部品を装着します。2回法の場合は歯茎を縫合して閉じます。
ステップ7.アバットメントの連結(二次手術)
2回法の場合は、インプラントの土台と骨が結合した後に、もう一度歯茎を切開し、ヒーリングキャップを装着します。傷が治り次第、アバットメントを装着します。
ステップ8.暫間上部構造の作成、装着
いわゆる仮歯を作ります。歯型を取ったり、かみ合わせを取ったりして仮の歯を作っていきます。
ステップ9.最終上部後続の作製、装着
最終的な上部構造を作成します。歯型、かみ合わせ、写真撮影を行い、周りの歯と調和のとれた歯を作っていきます。
ステップ10.リコールとメインテナンス
最終上部構造がつけ終わってからも、定期的なメインテナンスを行います。
治療期間
埋入時期をいつにするのかによって多少前後しますが、治療期間は半年から1年かかります。これは、埋め込んだインプラントの土台と顎の骨が結合するまでに時間がかかるためです。
骨造成や歯茎の移植を併用する場合はさらに数か月間の治療期間が延びます。
費用
インプラント治療は保険適応外のため、価格設定が歯科医院によって異なりますが、大体30万〜60万円と幅があります。骨造成や歯茎の手術が必要になると、追加で費用がかかります。
補足:前歯のインプラント治療で歯がない期間はある?
前歯のインプラント治療では、歯がない期間があります。一般的に、インプラント治療で歯がない期間は「2〜6か月」が目安です。なぜなら、顎の骨にインプラント体(人工のネジ)を埋めてから、インプラント体が顎の骨とくっつくために数か月の時間を必要とするためです。
とはいえ、待機期間には仮歯を入れて対処するため、全く何も入っていない状態ではありません。そのため、仮歯によって見た目を回復することができるため、周囲の人々から気づかれる可能性は少なく、安心して普段通りの日常を送ることができます。
ただし、仮歯はあまり丈夫ではないため、固いものや粘着質なものを食べないよう注意が必要です。
前歯のインプラントを成功させるために自分でできること
前歯のインプラント治療を健康的に長持ちさせるために、自分でできることがいくつかあります。
- 禁煙する
- セルフケアをしっかり行う
- 定期健診に通う
特に1つ目のタバコについては、インプラント治療を行う前から意識し、禁煙を完了させておくことが望ましいです。
禁煙する
タバコはインプラント治療の失敗を招きます。インプラント治療を行う前に禁煙を完了させておきましょう。タバコに含まれる有害物質が口腔内に悪影響を及ぼす研究は数多く報告されており、以下のようなことが知られています。6,7
- 手術後の傷の治りが悪くなる
- 免疫力がさがるため、細菌感染のリスクが上がる
- インプラント体と骨の結合を妨げる
- 骨を足す手術の成功率が下がる
また、タバコは歯周病を悪化させる要因であるとともに、インプラント周囲炎を引き起こす可能性が高いため、インプラント治療後の長期予後にも影響してきます。
タバコは百害あって一利なしです。インプラント治療を成功させるために禁煙することは効果があります。
セルフケアをしっかり行う
インプラント周囲炎を予防することは、インプラント治療全体においてとても大切です。インプラント周囲炎の発症は、プラークと深い関わりがあり、予防するためには毎日の歯みがきでプラークをしっかりと落とすことが重要です。
インプラント周囲炎を予防するために、以下のことが必要になってきます。
- 毎日、自分で歯ブラシやフロス、歯間ブラシを使って念入りな口腔清掃を行う
- 定期的にかかりつけ歯科医院に通院して検査や口腔清掃を受ける
インプラント周囲炎を予防するためだけでなく、インプラントを長く使えるようにするためにも、インプラント周囲炎を予防することは非常に重要です。
定期健診に通う
インプラントの異常を早期発見するため、治療がひと段落した後も定期健診に通いましょう。
インプラントは治療が終了したときから、噛む力とプラークの影響を受け続けます。そのため、インプラントを長く安全に使い続けるために、数か月に1回は異常がないか歯科医院で確認する必要があります。
定期健診では、具体的に以下のような項目を確認していきます。
- インプラントの周りについたプラークの量
- インプラント周りの粘膜の状態
- インプラントの歯周ポケット深さ
- インプラント体の動揺検査
- X線写真撮影検査にてインプラント周りの骨の状態の確認
- かみ合わせの検査
- インプラントを固定する部品に緩みや破損が生じていないか確認
インプラントは入れたら終わりという治療ではありません。早期に不具合の原因に対処し、より重大な不具合の発生を予防していくことが重要です。前述のインプラント周囲炎の予防のためにも、定期健診を受けることは重要です。
まとめ:前歯のインプラントは歯科医師と相談して進めよう
本記事では、前歯のインプラントについてさまざまな視点から詳しく解説してきました。以下にまとめましたので、おさらいしてみましょう。
- 前歯のインプラントは比較的難易度が高いため、歯科医師の技術力が必要である。そのため、歯科医院選びは大切である。
- 前歯のインプラントのメリットは周りの歯に負担がかからない、しっかりと噛むことができる、見た目が良いということがあげられる。
- 前歯のインプラントのデメリットは歯茎が下がることで見た目が悪化する可能性がある、骨や歯茎を足す必要があるケースがある、周りの歯が動く可能性がある、保険適応外のため費用がかかるといったことがあげられる
- 前歯のインプラントを成功させるために自分でできることは、 禁煙する、セルフケアをしっかり行う、定期健診に通うことである
前歯のインプラント治療について、不安や疑問を少しでも取り除くことができましたでしょうか。前歯のインプラント治療を受けるかどうか考える際にお役立てください。
【参考文献】
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2.S. Yamashita et al, Relationship between oral function and occlusal support in denture wearers. J Oral Rehabil. 2000 Oct;27(10):881-6. PMID: 11065023 DOI: 10.1046/j.1365-2842.2000.00602.x
3.厚生労働省委託事業.「歯科保健医療情報収集等事業」.“歯科インプラント治療のためのQ&A”
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf
4.Frank Schwarz et al, Peri-implantitis. J Clin Periodontol. 2018 Jun:45 Suppl 20:S246-S266. PMID: 29926484 DOI: 10.1111/jcpe.12954
5.Tord Berglundh et al, Peri-implant diseases and conditions: Consensus report of workgroup 4 of the 2017 World Workshop on the Classification of Periodontal and Peri-Implant Diseases and Conditions. J Clin Periodontol. 2018 Jun:45 Suppl 20:S286-S291. PMID: 29926491 DOI: 10.1111/jcpe.12957
6.日本口腔インプラント学会 口腔インプラント治療指針2024
https://www.shika-implant.org/shika/wp-content/uploads/2024/03/shishin2024.pdf
7.Danae Anastasia Apatzidou. The role of cigarette smoking in periodontal disease and treatment outcomes of dental implant therapy. Periodontol 2000. 2022 Oct;90(1):45-61. PMID: 35950749 DOI: 10.1111/prd.12449

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