一気にきれいな歯が入るオールオン4は、口臭の原因になってしまわないか知りたい。
オールオン4にしたら口臭が気になるようになって、どうしたらいいか悩んでいる。
オールオン4を検討中の方や、すでにオールオン4にした方の中には、口臭について不安な人もいるかもしれません。
実はオールオン4が原因で口臭が発生するのは、ごく一部の限られたケースです。
オールオン4自体に何か問題が起きていても、必ずしも口臭が発生するわけではありません。
この記事では、オールオン4の治療で口臭が起こる主な原因について解説します。オールオン4で口臭が発生しないための予防策や、もし口臭が生じた場合の対処法についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
オールオン4で口臭が発生するケースはごく一部!4つの原因・パターン
オールオン4治療を受けても、ほとんどの場合「オールオン4をしたせいで口臭が気になるようになった」ということはありません。オールオン4をする部分は抜歯して自分の歯がないので、口臭の原因になる虫歯や歯周病という問題は生じないからです。
もし、オールオン4治療をした後に口臭が気になる場合は、次の4つの原因パターンが考えられます。
- 固定している人工歯(上部構造)の素材や形が悪い
- 日々のお手入れや定期的なメインテナンスが不足している
- 土台のインプラント周囲に炎症が起きている
- 向かいの歯や舌、全身疾患などオールオン4以外に問題がある
それぞれについて解説していきます。
固定している人工歯(上部構造)の材質や形が悪い
オールオン4の固定式の人工歯(上部構造)の材質や形が不適切だと、口臭の原因になってしまいます。固定している人工歯とインプラントの間に汚れや食べカスが溜まったり、材質によっては汚れが沈着して取れないニオイがついてしまったりするからです。
具体的には、レジン(プラスチック)系の材質で作られていたり、自分の歯茎に合っていない形だったりすると、口臭の原因になってしまいます。
口臭の原因になる | 口臭の原因にならない | |
---|---|---|
形 | 不適合なもの、鞍状型、ガムなし | 歯茎と適合が良いもの、シャローオベイド型 |
材質 | レジン(プラスチック)系 | ジルコニア |
オールオン4の最終的な人工歯(上部構造)の材質や形が悪いと、口臭が発生してしまうので要注意です。
日々のお手入れや定期的なメインテナンスが不足している
オールオン4の自分でのお手入れが不十分だったり、定期的な歯科医院でのメインテナンスをきちんと受けていなかったりすると、口臭が発生してしまいます。
固定式の歯(上部構造)の材質や形に問題がなくてもお手入れが不足していれば汚れが溜まりますし、メインテナンスを継続して歯科医院で定期的にチェックしてもらわなければ口臭の原因となるような問題を発見できないからです。
オールオン4で口臭が発生しているということは、磨き残しや食べかすが溜まっていたり、オールオン4に何か重大な問題が生じたりしている可能性があります。オールオン4で口臭を発生させずに長持ちさせるためには、自分での日々の徹底的な清掃と、歯科医院でのメインテナンスが絶対に欠かせません。
日々のお手入れを怠っていたり、歯科医院での定期メインテナンスに通い口臭の原因となる問題が生じていないかチェックしてもらわないと、オールオン4で口臭が発生してしまうのです。
土台のインプラント周囲に炎症が起きている
オールオン4の土台となるインプラントの周囲に炎症が起きていると、口臭が発生してしまう可能性があります。インプラントの周囲に炎症(インプラント周囲炎)があるということは、インプラントの周りの歯肉や骨に細菌感染が起きており、血や膿が出たり細菌由来のニオイが生じたりするからです。
オールオン4の固定式の人工歯(上部構造)を支えているインプラントは、顎の骨に埋め込まれていますが、顎の骨を覆う歯肉とも接しています。そのため、歯肉との境目に汚れ(歯垢、プラーク:細菌のかたまり)があまりにも溜まってしまうと、インプラントの周囲で細菌による炎症が起きてしまうのです1。
オールオン4の土台であるインプラント周囲に炎症が起きてしまうと、血や膿や細菌由来のニオイによって、口臭となる可能性が高いです。
向かいの歯や舌、全身疾患などオールオン4以外に問題がある
オールオン4に問題がなくても、もし向かいに自分の歯が残っていたり、舌や全身疾患など他に問題があったりすると、口臭が発生するかもしれません。なぜなら、オールオン4に関係なく、口臭は自分の歯や舌や全身の病気などが原因で生じることがよくあるからです2。
自分の歯があれば、磨き残しや虫歯や歯周病などが原因で口臭が生じることがあります。また、舌に汚れ(舌苔)が溜まっていたり、口の中が乾燥していたり、加齢や口内炎や口の中のがんが原因になったりして、口臭となることもあります。
さらに、口の中に問題がなくても耳鼻科領域や全身の病気(例:鼻炎、副鼻腔炎、糖尿病、腎不全、肝疾患、肺癌など)があると、口臭を引き起こす場合もあるのです。
オールオン4治療を受けて口臭が発生したとしても、オールオン4が原因ではなく、口の中の他の問題や、体の他の部位の病気が原因となっていることもあります。
オールオン4治療で口臭が発生しないための4つの対策法
オールオン4治療を受けて口臭が生じないようにするには、対策法があります。口臭が発生してしまうのはごく一部のケースだけですが、その原因に適切に対処すれば口臭を発生させないようにできるからです。
具体的には、次の4つの対策法があります。
- ジルコニアを使った適切な形の人工歯(上部構造)にする
- 日々のお手入れを徹底し定期的なメインテナンスをきちんと受ける
- 高品質なインプラントを使い定期的にインプラントのチェックをしてもらう
- オールオン4以外の口臭の原因となる問題に対処する
それぞれの対策法について詳しく解説します。
ジルコニアを使った適切な形の人工歯(上部構造)にする
オールオン4の固定式の人工歯(上部構造)を、ジルコニア製で適切な形にすれば、口臭が発生しにくいです。ジルコニアは汚れがつきにくく劣化しない材料なので、自分の歯茎との境目の形を汚れが入りにくくお手入れしやすくすれば、口臭の原因となる食べかすや汚れ(歯垢、プラーク)を溜めこむことがないからです。
具体的な形の特徴としては、歯茎にきちんと適合している形で、“シャローオベイド型”であることが望ましいとされています3。
ジルコニア製の適切な人工歯(上部構造)を作ってくれる歯科医院でオールオン4治療を受けることで、口臭を予防することができます。
日々のお手入れを徹底し定期的なメインテナンスをきちんと受ける
オールオン4にして口臭が発生しないためには、日々の自分でのお手入れを徹底し、歯科医院での定期メインテナンスを継続することが欠かせません4。
汚れのつきにくい適切な形の人工歯(上部構造)のオールオン4にした場合でも、自分の歯と同じように、毎食後の歯磨きや、歯科医院で定期的にクリーニングとチェックを受けることが必要です。
日々のお手入れでは、オールオン4に適した歯ブラシやうがい薬を使って、固定式の歯(上部構造)と自分の歯茎の境目に汚れが溜まらないようにする必要があります。
また、歯科医院でのメインテナンスでは、次のような点をチェックしてもらい、普段自分でお手入れできないところをクリーニングしてもらいます。
- 固定式の歯(上部構造)の下にある自分の歯茎やインプラントなど、自分では見えない部分に問題が起きていないか
- 見た目、発音、噛み合わせに問題が出ていないか
- 日々の自分のお手入れできちんと汚れが取れているか
- 口臭の原因となり得る問題が起きていないか
日々の毎食後のブラッシングはもちろん、定期的に歯科医院でのメインテナンスを受診することで、オールオン4で口臭が発生しないように対策しましょう。
高品質なインプラントを使い定期的にインプラントのチェックをしてもらう
オールオン4で口臭が生じてしまわないように、高品質なインプラントを使ったオールオン4治療を受けることも必要です。高品質なインプラントなら、口臭の原因になるインプラント周囲の炎症が起きにくく進行しにくいからです5。
高品質なインプラントとは、「プレミアムインプラント」と呼ばれる、世界三大インプラントメーカー(ストローマン社、ノーベルバイオケア社、デンツプライシロナ社)のインプラントです。これらの信頼性の高いメーカーが提供している安全性と実績のある高品質なインプラントは、インプラントの周囲に炎症が起きにくい構造やデザインになっています。
インプラントの周囲に炎症が起きてしまうと口臭の原因となってしまうので、口臭を発生させないためには、インプラント周囲に炎症が起きないことが重要です。
また、インプラントにゆるみが出てしまうと、揺れて隙間ができるようになってしまうため、インプラントと人工歯(上部構造)の間に汚れが入り込んでしまい、取れない口臭の原因となります。
こうしたインプラントの問題が起きていないか、定期的なメインテナンス時にチェックしてもらいましょう。
高品質なインプラントでオールオン4をしてもらい、口臭の原因となるインプラントの問題が起きていないか定期的にチェックしてもらうことが、口臭予防の観点で大切です。
オールオン4以外の口臭の原因となる問題に対処する
オールオン4以外で、口臭の原因になるような問題があればしっかり対処することも必要です。せっかく問題のないオールオン4をしていても、他に口臭の原因になる問題が口の中や全身にあると、オールオン4のせいで口臭が出ていると誤解してしまいます。
例えば、次のような点に注意して、口臭の原因となる問題が存在していないか確認しましょう。
- 片顎に自分の歯が残っている場合、虫歯、歯周病、合っていない入れ歯や被せ物はないか
- 残っている自分の歯に磨き残しや食べかすが溜まっていないか
- 唾液量の減少、舌の汚れ、口内炎や癌など、口の中に歯以外の問題がないか
- 鼻炎や副鼻腔炎や扁桃炎など、耳鼻科領域の疾患がないか
- 糖尿病、腎不全、肝疾患、肺癌など、全身の病気がないか
問題の起きたオールオン4以外にも、口の中や全身に口臭の原因となりうる事項はたくさんあるので、適切に対処して口臭が発生しないようにしましょう。
オールオン4でもし口臭が発生した時の対処法
オールオン4に問題が起きて口臭が生じてしまっても、対処法があります。具体的には次の3つです。
- 歯科医院でのメインテナンスで清掃やお手入れ方法の指導を受ける
- 人工歯(上部構造)の形をお手入れしやすいように修正してもらう
- オールオン4の再治療を受ける
それぞれの対処法について解説します。
歯科医院でのメインテナンスで清掃やお手入れ方法の指導を受ける
もしオールオン4が原因で口臭が発生したら、まずはオールオン4をした歯科医院に受診して状況を確認してもらい、清掃やお手入れ方法の指導を受けることが必要です。
自分でのお手入れだけでは限界があるため、オールオン4にどんな問題が起きているかを診てもらい、歯科医院でないと出来ないお掃除を受けなければ、口臭の原因となる問題を解決できないからです。
具体的には、固定しているオールオン4の人工歯(上部構造)を歯科医師に外してもらい、次のような口臭に関わる点をチェックしてもらう必要があります4。
- 人工歯の裏側の汚れ具合
- インプラントがゆるんでいないか
- インプラント周囲や人工歯の真下にある自分の歯茎に炎症が起きていないか
- 普段の自分のお手入れでどれくらい磨けているか
口臭の原因となる問題があれば対処してもらい、普段自分で磨けていない部分の汚れを除去してもらったり、自分のお手入れで足りていない点を指導してもらったりすることで、口臭の原因を断つことにつながります。
オールオン4で口臭が生じていると思ったら、歯科医院で状況をチェックしてもらい、固定式の人工歯(上部構造)を外して徹底的にお掃除をしてもらいましょう。
人工歯(上部構造)の形をお手入れしやすいように修正してもらう
オールオン4が原因で口臭が発生しているなら、固定式の人工歯(上部構造)の形をお手入れしやすいように修正してもらう必要があるかもしれません4。どんなに気をつけてお手入れをしたとしても、人工歯の形に問題があれば、汚れや食べかすを完全に取り切ることができないからです。
「歯科医院でのメインテナンスで清掃やお手入れ方法の指導を受ける」で解説したように、歯科医院でオールオン4のチェックをしてもらい、人工歯(上部構造)の形に問題があればその形の修正を提案されるはずです。汚れや食べかすが溜まりにくく、日々のブラッシングもしやすい形にしてもらいましょう。
歯科医院でその場で修正してもらう場合は、取り外した人工歯(上部構造)を歯科医師の指示のもと歯科技工士が修正・研磨をし、その日のうちにまた口の中へ戻して帰ることができますが、2〜4時間はかかることがほとんどです。
また、修正に時間がかかることが予想された場合、予め仮歯を用意してもらい、人工歯(上部構造)は歯科医院に預けて、仮歯で帰って後日修正された人工歯(上部構造)と取り替えてもらいます。
自分のブラッシングの仕方に問題はないのに汚れや食べかすが溜まって口臭があるなら、オールオン4の人工歯(上部構造)の形の修正が必要かどうか、相談してみてください。
オールオン4の再治療を受ける
オールオン4に重大な問題が生じているせいで口臭が発生している場合には、オールオン4の治療をやり直すことも検討する必要があります。重大な問題が起きているオールオン4をそのまま使い続けると、いくら日々のお手入れや歯科医院での清掃を頑張っても口臭が解決しないだけでなく、オールオン4がダメになってしまいその後の再治療方針にも影響を及ぼすからです。
例えば、口臭の原因になる汚れや食べかすが溜まってしまうような形の人工歯(上部構造)の場合、数時間や数日かけて形を修正するだけでは問題が解決できない場合もあります。適切な形に作り変える必要があるので、他院でやったオールオン4の場合は、使用しているインプラントと同じインプラントを取り扱っていれば、人工歯(上部構造)の作り直しと入れ替えを行います。
もし、取り扱っていないインプラントが入っている場合、人工歯(上部構造)を作り直す歯科医院で、インプラントからやり直す必要があります。
また、インプラント周囲に炎症が起きている「インプラント周囲炎」の場合には、炎症が起きてしまった部位のインプラントを除去し、他の場所にインプラントを埋め込み直して、人工歯(上部構造)も再製作します。インプラント周囲炎を放置してしまうと、炎症によって溶かされる顎の骨の範囲が広がってしまい、インプラントを再度埋め込むための場所がなくなってしまいます。
口臭が生じているオールオン4は、口臭の陰に重大な問題が潜んでいることもあるので、その際にはオールオン4の治療のやり直しが必要になることに注意してください。
まとめ:オールオン4治療の口臭は原因がさまざま!しっかりと予防しよう
オールオン4治療を受けて口臭が発生するのは限られたケースですが、その原因としては主に次の4パターンがあります。
- 固定している人工歯(上部構造)の素材や形が悪い
- 日々のお手入れや定期的なメインテナンスが不足している
- 土台のインプラント周囲に炎症が起きている
- 向かいの歯や舌、全身疾患などオールオン4以外に問題がある
オールオン4治療後に口臭が発生しないために、次の4つの対策方法を実践すれば、多くの場合は口臭予防することができます。
- ジルコニアを使った適切な形の人工歯(上部構造)にする
- 日々のお手入れを徹底し定期的なメインテナンスをきちんと受ける
- 高品質なインプラントを使い定期的にインプラントのチェックをしてもらう
- オールオン4以外の口臭の原因となる問題に対処する
もし、オールオン4に問題が起きて口臭が気になるようになったら、まずは歯科医院を受診して必要な対処をしてもらいましょう。
<引用文献>
1.日本口腔インプラント学会. “口腔インプラント治療指針 2024.” (2024)
2.日本口臭学会. “口臭への対応と口臭症治療の指針.” (2015)
3.Nobel Biocare. “Full Arch Rehabilitation All-on-4 Technique Restorative Steps Recipe for Success.” (2017)
4.Heitz-Mayfield, L. J. A., and G. E. Salvi. “ITI treatment guide volume 13: Prevention and management of peri-implant diseases.” Quintessence Publishing (2022).
5.Brägger, U, and Heitz-Mayfield, L. J. A. “ITI treatment guide volume 8: Biological and hardware complications in implant dentistry.” Quintessence Publishing (2019).

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