総入れ歯や部分入れ歯といえば、高齢者の治療というイメージを持たれるのでは無いでしょうか。
しかし実際には、虫歯や歯周病の悪化、事故や外傷といった理由で、若い女性でも総入れ歯や部分入れ歯を検討するケースは少なくありません。
特に女性の場合、見た目や食事のしやすさ、発音への影響を気にする方も多く「治療を決断するまで時間がかかる」という声もよく聞かれます。
この記事では、若い女性が総入れ歯や部分入れ歯を検討する背景や原因、他の治療法との違い、入れ歯選びのポイントをわかりやすく解説します。総入れ歯や部分入れ歯を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
若い女性によくある歯の悩み
若い世代でも、虫歯や歯周病、外傷などさまざまな理由で歯を失うことがあります。特に20代〜30代の女性は、仕事や子育て、介護などで自分のケアを後回しにしてしまい、気付いたときには重症化していたというケースも珍しくありません。
また、先天的に歯の本数が少ない人(10人に1人の割合)や、事故・摂食障害の影響で歯を失った人など入れ歯を選択する背景はさまざまです。子どもの頃の治療体験から歯科恐怖症となり、受診を避け続けた結果、抜歯が必要な状態になる方もいます。
参考:日本臨床矯正歯科医会「ご存じですか?10人に1人の子どもに足りない歯があるってこと」
若い女性で総入れ歯・部分入れ歯を検討する方は増えている
「入れ歯は高齢者のもの」というイメージが強い一方で、近年は若い女性の部分入れ歯や総入れ歯の相談が増加傾向にあります。
2022年に実施された厚生労働省の調査でも、15歳以上で総入れ歯を使用している人は約8.7%、部分入れ歯は20.1%と報告されました。年齢に関係なく歯を失う可能性があることがわかります。
背景の一つに、入れ歯の素材や設計の進歩があります。
たとえば、見た目が自然で清潔感のあるタイプや、装着時に違和感が少ないタイプなど、審美性と機能性を両立した入れ歯も登場しています。
また、他の治療法と比べて、身体への負担が少なく費用も比較的安く抑えやすいことなども、若い女性の間で身近な選択肢となりつつある要因といえるでしょう。
若い女性が総入れ歯を検討する理由
若い女性が総入れ歯を検討する背景には、さまざまな原因があります。
虫歯や歯周病などの口内トラブルだけでなく、事故や先天的な歯の欠損、歯科恐怖症といった心理的要因も影響します。
ここでは、以下5つの理由についてそれぞれ詳しく解説します。
- 虫歯の放置による重症化
- 歯周病の悪化
- 事故などによる外傷
- 先天性欠損
- 歯科恐怖症
虫歯の放置による重症化
虫歯を長期間放置すると、歯の神経や根まで虫歯が進行し、抜歯が避けられなくなるケースがあります。
特に、複数の歯が同時に重症化した場合、部分入れ歯やブリッジでは補いきれず、総入れ歯が現実的な選択肢となることも少なくありません。
若い女性の場合、仕事・育児・学業などの忙しさから治療を後回しにしてしまうことも多く「気付いたときには手遅れだった……」という声もあります。虫歯は進行するほど治療期間や費用も増えるため、初期段階での受診が重要です。
歯周病の悪化
近年、若年層でも歯周病を発症する人が増加しています。
2022年に実施された厚生労働省の調査によると、歯周病(歯周ポケット4mm以上)がある人の割合は15〜24歳で17.8%、25〜34歳で32.7%と報告されています。
歯周病は、歯磨き不足や不規則な食生活、喫煙、ストレスなどが原因となり、歯を支える骨や歯ぐきが徐々に破壊される病気です。進行すると歯がぐらつき、最終的に複数の抜歯が必要になることもあります。その結果、総入れ歯での治療を検討せざるを得なくなるケースも多くなります。
歯周病は、日頃の正しいセルフケアや定期的な歯科健診などにより防ぐことも可能です。歯科医院で歯周病の指摘を受けたことがある方は、早めに治療を開始することが大切です。
事故などによる外傷
交通事故やスポーツ中の怪我、転倒など、突発的な外傷によって歯を失うケースもあります。前歯や複数の歯を一度に失う場合は、見た目や噛む機能への影響が大きく、総入れ歯で対応する選択肢が検討されることがあります。
事故や外傷が原因の場合、条件次第では保険適用や補償を受けられる可能性もあります。
たとえば、自動車事故では相手の自賠責保険や任意保険から治療費が支払われるケースも多く、治療費の一部が補填されることもあります。
さらに、外傷による歯の欠損は顎の骨や噛み合わせにも影響が及ぶ可能性があるため、口腔外科や補綴(入れ歯・被せ物)を専門とする歯科医師に、総入れ歯の必要性について診断してもらうと安心です。
先天性欠損
生まれつき歯の本数が少ない(先天性欠損)人は、10人に1人の割合で存在するといわれています。乳歯の段階では気付かないことも多く、永久歯に生え変わる時期に欠損が判明するケースもあります。
参考:日本臨床矯正歯科医会「ご存じですか?10人に1人の子どもに足りない歯があるってこと」
欠損歯が多い場合、残っている歯に負担がかかりやすく、成長とともに口腔内全体のバランスが崩れることも少なくありません。部分入れ歯では対応できないほど欠損が多い場合、総入れ歯を選択することで見た目や噛む機能を回復できるケースがあります。
歯科恐怖症
子どもの頃の痛い治療や嫌な経験がきっかけで、歯科恐怖症になり受診を避けてしまう人もいます。歯科恐怖症とは、過去の治療体験がトラウマとなり、歯科に行こうとするだけで強い不安や動悸、息苦しさなどの症状が出る状態を指します。
「治療の必要性は理解しているのに、怖さで受診できない」という方も少なくありません。
恐怖心から通院を先延ばしにすると、虫歯や歯周病が重症化し、抜歯や総入れ歯に至ることもあります。
しかし近年は、徐々に歯科治療に慣れていく脱感作法や、静脈内鎮静法(半分眠った状態で治療する方法)、笑気ガス麻酔、さらには全身麻酔で行う治療など、恐怖心を軽減する方法も増えています。
歯科恐怖症の方は、こうした方法にも対応している歯科医院に相談することが治療の第一歩にもなるでしょう。
若い女性が総入れ歯・部分入れ歯にするときに気になるポイント
若い女性が総入れ歯や部分入れ歯を検討する際に気になりやすいのは、見た目や使用感です。「笑ったときに目立たないか」「人前で外れないか」「発音に影響しないか」といった不安から、治療を先延ばしにしてしまうケースもあります。
以降では、気にする方が多い4つのポイントと、それぞれの改善策を紹介します。
- 会話中や笑顔のときに見えないか
- 金属バネや大きさが目立たないか
- 食事のときの違和感はないか
- 発声に影響はないか
会話中や笑顔のときに見えないか
人前で笑ったときや、会話の途中で入れ歯が見えてしまうのではないか、といった不安は若い女性特有のポイントでもあります。
職場でのコミュニケーションや友人との外食、恋人との会話など、日常のあらゆる場面で「気付かれたら恥ずかしい」と感じてしまうこともあるでしょう。
しかし近年は、歯ぐきに近い色の樹脂や透明素材を使った入れ歯、歯の大きさ、配置を自然に見せる設計の入れ歯も増えています。
また、笑顔のときに目立たないよう角度を工夫するなど、審美性に配慮したカスタム設計可能な医院も多く、周囲から気付かれにくい仕上がりが可能になっています。
金属バネや大きさが目立たないか
部分入れ歯の悩みで多いのが、金属バネの見た目です。会話中や食事の際にバネが光って見えると、周囲の視線が気になるという声も少なくありません。
金属部分が気になる方には、ノンクラスプデンチャー(金属を使わないタイプ)や、バネを歯の裏側に隠すタイプの入れ歯が選択肢になります。
総入れ歯の場合、不自然な歯の大きさを気にする方も多くなります。
しかし最近では、歯の色や形を本人に合わせて作製できるため、自然な印象を持たせることも可能です。
さらに、精密な型取りや歯科技工士との連携などによって、見た目だけでなくフィット感も高められるため、違和感の少ない仕上がりを目指せます。
食事のときの違和感はないか
総入れ歯や部分入れ歯を初めて使うとき、多くの人が「硬いものが噛めるか」「食事中に外れないか」といった不安を抱きます。
特に若い女性の場合、人前での食事や外食の場面が多いことから「会食で食べにくい姿を見せたくない」と感じるケースもあるでしょう。
近年は、吸着力の高い義歯や、顎の動きに合わせた調整ができる入れ歯も登場しています。また、装着直後は違和感があっても、調整を数回重ねることで噛み心地が改善するケースが多いことも知っておくと安心です。
食べやすさを優先する場合は、食事テストを行いながら調整してくれる医院を選ぶのもポイントです。
発声に影響はないか
入れ歯を検討する若い女性にとって「サ行」や「タ行」が言いにくくなるなど、発声の変化も大きな不安要素のひとつです。
特に、接客やプレゼン、電話対応が多い仕事をしている方にとっては、話しにくさが日常業務に影響するため切実な問題といえるでしょう。
発音の違和感は、舌の位置や空気の流れが変わることで起こりますが、設計の工夫や発音トレーニングによって改善可能なケースが多くなります。
フィット感を確認しながら調整してくれる医院や、発音への配慮も行う歯科技工士との連携がある医院を選ぶと、安心して治療を進められるでしょう。
若い女性の入れ歯選びのポイント
若い女性が総入れ歯や部分入れ歯を選ぶ際は、高齢者とは異なる基準での判断が求められます。見た目の自然さや快適さだけでなく、将来の変化にも対応できる治療計画を考えることが大切です。
若い女性が入れ歯選びの際に重視するべきポイントは、以下の3点です。
- 審美性
- ライフスタイルへの適合性
- 長期的な対応力
仕事やプライベートにおいて人との交流が多い若い女性にとって、審美性は重要です。歯や歯ぐきの色、入れ歯の厚みなどが自然に見えるかどうかが選択の大きな基準となります。
また、仕事や育児、学業など多様な場面で快適に使えることも欠かせません。高齢者の入れ歯では「噛めること」が優先されやすい一方で、若い世代では「目立たず、長時間快適に使える」点を重視することも大切です。
さらに、将来的にインプラント治療へ移行する可能性や、残っている歯の状態が変化した際に再調整できるかどうかも考慮しましょう。今の見た目だけでなく、将来を見据えて治療法や素材を比較することが、若い女性の入れ歯選びのポイントといえます。
総入れ歯とその他の治療法との違い
総入れ歯以外にも、部分入れ歯やブリッジ、インプラントといった治療法があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解して比較することで、自分に合った治療法を選びやすくなります。
ここでは、総入れ歯と他の治療法の違いについて解説します。
- 部分入れ歯
- ブリッジ
- インプラント
- ザイゴマインプラント
- オールオン4
部分入れ歯
部分入れ歯は、歯が一部でも残っていれば適用できる治療法です。一般的には残っている歯にバネをかけて固定しますが、近年は金属バネを使わず歯ぐきの色に近い素材を用いた「ノンクラスプデンチャー」も登場し、審美性に配慮した設計も可能です。
部分入れ歯のメリットは、外科手術が不要で比較的短期間・低コストでの治療ができる点です。取り外し可能なので、清掃がしやすいのも特徴です。
一方で、支台となる歯に負担がかかりやすいため、長期的にみると健康な歯まで弱るリスクがあります。自分の歯を活かせる点が魅力ですが、残存歯の状態によっては将来的には総入れ歯へ移行するケースもあります。
若い女性の場合は、審美性や長期的な負担を考慮したうえでの選択が重要です。
ブリッジ
ブリッジは、欠損部分の両隣の歯を削って土台にし、そこへ義歯を固定する治療法です。固定式で取り外しの必要がなく、食事や会話中にズレにくい点が大きなメリットです。
見た目も自然で、短期間で治療が完了する方法として選ばれています。
ただし、健康な歯を削る必要があるため支台歯の負担が大きく、将来的にその歯の寿命を縮める可能性もあります。さらに、ブリッジの下は清掃が難しいため、むし歯や歯周病のリスクが上がることも懸念点です。
総入れ歯よりも自然な見た目を得られる一方で、再治療のリスクも踏まえて選ぶことが大切です。
特に若い女性は、妊娠や加齢による口腔内の変化も見据えた長期的な管理が求められます。
インプラント
インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を固定する方法です。天然歯に近い噛む力と見た目が得られ、総入れ歯のように外れる心配がありません。健康な歯を削らずに治療できるため「残せる歯を守りたい」という方にも向いている選択肢です。
一方、外科手術が必要なことや、費用が高額になりやすい点は注意が必要です。骨量が少ない場合は、骨造成などの追加処置が必要になるケースもあります。
また、術後の定期的なメンテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」を起こしやすくなり、インプラントが脱落するリスクがあるため、長期的なケアが前提の治療でもあります。総入れ歯に比べて治療後の快適さは高いものの、費用や治療期間のバランスを考慮する必要があるでしょう。
ザイゴマインプラント
ザイゴマインプラントは、頬骨にインプラントを固定する特殊な治療法です。骨量が極端に少ない場合や骨移植が困難な方でも適用でき、総入れ歯よりも安定した噛み心地を得られます。
ただし、高度な外科技術を必要とするため、対応できる医院が限られ、治療費も高額になりやすい点は注意が必要です。術後の腫れや痛みが通常のインプラントより強く出ることもあり、回復期間を十分に確保する必要もあります。
見た目や咀嚼機能を大幅に改善できる一方、侵襲性や費用負担については慎重に検討することが求められるでしょう。
オールオン4
オールオン4は、片顎に4本のインプラントを埋め込み、その上にフルアーチの人工歯を固定する治療法です。総入れ歯に比べて外れにくく、しっかり噛めるのが特徴です。
骨造成を行わずに済む場合も多く、手術当日に仮歯を固定して食事や会話が可能になるケースもあります。
費用や外科的負担は総入れ歯より大きいものの、複数のインプラント治療を繰り返すよりも少ない本数で済むため、治療負担を抑えられるのもメリットです。
メンテナンスを怠るとインプラント周囲炎のリスクがあるため、長期的なケアを前提として選択することが大切です。
若い女性が総入れ歯にする前に知っておきたいこと
総入れ歯を検討する際は、治療前に確認すべき点がいくつかあります。
特に若い女性は、ライフスタイルや審美性への影響が大きいため、以下の内容を押さえておくと安心です。
- 残せる歯の有無を診断
- 保険と自費の違い
- 精密な検査・型取りの重要性
残せる歯がある場合は、部分入れ歯やインプラント併用などで対応できるケースもあります。部分入れ歯やブリッジ、インプラントなどの場合、噛む力や発音のしやすさを維持できるメリットがあります。
また、保険診療と自費診療では使用する素材や厚みなど、見た目に差が出やすいため、希望の仕上がりに合わせた選択も必要です。さらに、噛み合わせや顎の形に合った精密な型取りは、装着感や長期的な快適さに直結します。
信頼できる歯科医院で適切な診断を受け、自分に合う治療方法や素材を選ぶことが、後悔のない治療につながります。
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まとめ:若い女性の総入れ歯・部分入れ歯は他の治療と比較して決めよう
若い女性が総入れ歯や部分入れ歯を選ぶ際は、見た目の自然さ・噛みやすさ・費用など、複数の視点で比較検討することが大切です。
また、部分入れ歯やブリッジ、インプラントといった他の治療のメリットやデメリットについても、正しく理解したうえで選択しましょう。
まずは、信頼できる歯科医院で「残せる歯は本当にないのか」「どの治療法が自分のライフスタイルに合っているか」などを納得いくまで相談するとよいでしょう。十分な説明を受けたうえで選択することで、後悔しない歯科治療につながります。

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