治療当日に歯が入り、その日から食事ができる治療法、オールオン4。「オールオン4の術後って、どんな食事ができるんだろう?その日のうちから何でも食べていいのかな?」「何を食べたらいいんだろう?」と気になりますよね。
どんなボロボロの状態の口の中の人でも、オールオン4は手術をしたその日に仮歯が入るので、当日から食事ができます。
しかし実は、手術後の時期によって食べられるものが増えたり、注意すべきポイントがあったりするんです。治療期間中にどんなものが食べられるかを事前に知れたら、実際に治療を始めてからの食生活がイメージしやすいはずです。
そこでこの記事では、オールオン4の術後の食事に関して、術後の各時期で食べられる具体例を挙げて解説します。具体例とその根拠を解説しますので、自分の好きなものや用意しやすいものを思い浮かべつつ、オールオン4の治療が完了するまでの食生活をイメージしてみてください。
オールオン4は手術後から食事ができる!
オールオン4は、手術を終えた後から食事ができます。
というのも、4本のインプラントを顎の骨に埋め込んで固定式の歯を装着するオールオン4では、手術当日には全体に仮歯が入り、歯が入った状態で帰宅できるからです。
まずは、オールオン4の手術後について解説します。
オールオン4は手術後すぐ仮歯が入るので食事も可能
オールオン4は、1日で全体の仮歯が入ることが最大の利点であり、手術をしたその日に食事をすることが可能な状態になります。前歯から奥歯までの全体的な仮歯のおかげで、見た目だけでなく噛む動作も可能です。
仮歯といっても、インプラントという土台に固定された仮歯なので、自分で取り外しができる入れ歯のようにパカパカして外れることがありません。そのため、オールオン4は手術したその日から食事ができる状態になる治療法だといえるのです。
ただし手術後は傷のせいですぐ通常の食事をとるのは難しい
オールオン4の手術では、インプラントを埋め込む前に抜歯を行うので、抜歯の傷や腫れを考えると通常の食事をとることは難しいといえます。
もちろん、手術中は全身麻酔や静脈内鎮静法という眠るような麻酔法に加え、口の中には局所麻酔を行うので痛みを感じることはありません。加えて、術後も痛み止めを処方されるので、術後に痛みに耐えられない・眠れないといったことはないことがほとんどです。
しかし、抜歯によるダメージはありますし、傷口や頬の内側が腫れたり、麻酔が残って感覚がなかったりすることで、いつも通りの食事をすること自体難しいでしょう。
これまでに抜歯された経験のある方はその時のことを思い出してみるとイメージしやすいかもしれません。
オールオン4はその日に仮歯が入るといっても、麻酔をして抜歯を伴う手術であり、口の中の状況が大きく変わるので、その観点からも術後すぐは通常の食事は難しいといえます。
オールオン4手術後に推奨される食事の具体例
オールオン4は手術後から食事ができますが、すぐに何でも食べられるわけではありません。
治療を成功させるため、つまり、最終的な歯が入ってから何でも噛めるようになるために、治療中に推奨される食事の具体例があります。その具体例を解説していきます。
オールオン4手術後当日〜2日目はゼリーなど流動食がおすすめ
オールオン4の術後当日は、仮歯が入って食事ができる状態で帰宅できますが、手術部位が治癒するためや埋め込んだインプラントがしっかり歯に定着するためにも、流動食が推奨されます。
手術後48時間は、手術部位を冷やし、埋め込んだばかりのインプラントに圧力をかけてしまわないようにする必要があるためです。
オールオン4治療に関する専門的な論文において、術後48時間の食事は冷たくて柔らかいもののみを摂取することが推奨されています。
オールオン4の手術部位の治りやインプラントの定着を妨げないために、手術後2日目までは、下記のような刺激が少なく冷ました流動食を摂取しましょう。刺激物やアルコールは避けてください。
<具体例>
- ゼリー、プリン、ヨーグルト、ムース、やわらかい水羊羹
- 冷ましたスープ、ポタージュ
- ピューレ状、ペースト状のもの
- 冷ました具なしの茶碗蒸し
- 柔らかいアイスクリーム
- プロテインドリンク
- スムージー
※ただしキンキンに冷えすぎていないもの、適度に冷ましたもの
オールオン4手術後3日後からは「お箸で切れるもの」を
オールオン4の術後3日目からは食事内容の幅がかなり広がりますが、良い治療結果を得るためにも、なるべく消化のいいやわらかい食事が推奨されます。
これは、手術を受けた後の体の回復のため、そして手術部位とインプラントへ過剰な負担をかけないためです。
具体的には、先ほどの流動食に加え、次のような「お箸で切れる」程度のやわらかさのものを栄養バランスよく食べることが必要です。
<具体例>
- 焼き魚、煮魚
- 煮物
- よく煮た柔らかい野菜や蒸し野菜(かぼちゃの煮物,おでんの大根,マッシュポテト,湯むきトマトなど)
- とろろ
- 豆腐料理
- はんぺん
- ハンバーグ
- シチュー(クリームシチューやビーフシチューなど)※ただし具はよく煮込んだ柔らかいもの
- グラタン
- ミートドリア
- そぼろ丼
- 点心(水餃子、蒸し餃子、小籠包、しゅうまい、肉まん)
- 茶碗蒸し※ただしエビなどの弾力のある硬めの具は避ける
- 卵料理(卵焼きやオムレツやスクランブルエッグ)
- おかゆ、雑炊、あんかけ炒飯
- 柔らかく茹でた麺類 煮込みうどんなど※ただし具に注意
- 缶詰のフルーツ
- バナナ
- やわらかいパン
- やわらかいスイーツ(カステラ、マドレーヌ、ワッフル、マフィンパンケーキ、フレンチトーストなど)
オールオン4術後3日目からは食べられるものがかなり増えるので、「お箸で切れるもの」で栄養をしっかりとるようにし、オールオン4の治療が最終的に成功となるようにしましょう。
手術後4週目は特に要注意!骨の中でのインプラントの固定が一時的にゆるくなりうる時期
オールオン4術後3日目からは食べられるものが増えますが、術後4週目は一時的に要注意な期間となります。
手術で顎の骨に埋め込んだインプラントは徐々に定着していきますが、術後4週目あたりで一時的にゆるくなる可能性があると科学的にわかっているからです。
ネジのような形をしているインプラントは、手術で顎の骨に埋め込むことで最初にある程度固定されますが、時間の経過と共により確実に固定していくため、インプラントの周囲に骨が新しく出来ていきます(骨のリモデリング)。手術後すぐ最初に得られたある程度の固定(初期固定)と、より確実に固定するための骨のリモデリング(二次固定)、この2つのバランスが入れ替わる時期(Stability dip)が術後4週目あたりといわれています。
例えば、もしこの期間に硬いものを食べてしまったりすると、オールオン4の手術で埋め込んだインプラントに負担がかかってしまい、インプラントの固定がゆるくなってしまい、最終的にオールオン4の治療がうまくいきません。
このような事態を避けるためにも、特に術後4週目あたりは食事に注意して、「お箸で切れるもの」を食べるように意識しましょう。
手術後2ヶ月間は硬いものは絶対に避ける
「お箸で切れるもの」で食事をとっていく中で、オールオン4の術後4週目を乗り越えた後も、術後2ヶ月間は硬いものを絶対に避けましょう。
手術で埋め込んだインプラントが骨の中でさらに固定されていく途中で、硬いものを食べて負担をかけてしまうと、インプラントがゆるんだり動いたりしてしまい、この後(術後3ヶ月目)に行われる型取りがうまくいかず、最終的にオールオン4の治療が成功しないからです。
具体的には、次のような歯応えのあるものや粘着性のあるものは絶対に避けてください。
<避けるべき具体例>
- ステーキ
- 唐揚げ
- さつま揚げ
- 肉団子
- 焼き鳥
- 焼肉
- 軟骨入りつくね
- イカやタコ
- 弾力のあるもの(こんにゃく、かまぼこ、グミ)
- コシのあるうどん
- ナッツ類
- ポップコーン
- 漬物
- 繊維質の多い野菜(ごぼう、たけのこ、れんこんなど)
- 加工していない生野菜(レタス、きゅうりなど)
- 雑穀米や玄米
- お煎餅やおかき
- 硬いスナック菓子
- 硬いパン(フランスパン、食パンの耳など)
- 硬めの果物(りんご、いちご、柿など)
- 粘着性のあるもの(餅、ガム、キャラメルなど)
手術後3ヶ月で骨にしっかり固定される:さらに食べられるものが増える
オールオン4の術後3ヶ月目には、食べられるものがさらに増え、通常の食事に近づいていきます。
これは、術後3ヶ月目には埋め込んだインプラントが骨の中でしっかりと固定されてくるためで、この頃には最終的な歯を作るための型取りが行われます。
術後すぐから食べてきた流動食やお箸で切れるやわらかさのものに加え、肉・魚・野菜など、食べられる範囲がさらに広がります。
ただし、この時点ではまだプラスチック製の仮歯なので、かなり硬いものや粘着性のあるものは、仮歯の破損防止のためにも引き続き避ける必要があります。具体的には次に挙げるような、奥歯や前歯のどこか1点に集中させてかなり力を込めて噛むような硬いものや、仮歯にくっついてしまう粘着性のあるものです。
<避けるべき具体例>
- せんべい
- ナッツ
- 硬い野菜(ごぼう、たけのこ、れんこんなど)
- 軟骨
- りんごやとうもろこしなど※前歯で丸かじり
- フランスパンなどの硬いパン
- 粘着性のあるもの(餅、ガム、キャラメルなど)
オールオン4の術後3ヶ月で型取りをしたら、そこからさらに3ヶ月ほどで最終的な歯が入ります。
仮歯が破損する原因になる食品を避けて、食べられるものがかなり増える術後3ヶ月目以降を過ごしていき、最終的な歯が入る時を無事に迎えましょう。
最終的な歯が入ったら何でも食べられる
型取りをしてから3ヶ月ほど、つまり、オールオン4の術後6ヶ月程度で最終的な歯(上部構造)が入り治療が完了となると、何でも食べられるようになります。
なぜなら、最終的な歯はジルコニアという硬い丈夫な素材で出来ており、プラスチック製の仮歯では食べられなかったものも食べられるからです。
ただし、自分の歯でもやると歯が欠けるようなことは避けましょう。例えば、くるみやピスタチオのような非常に硬い殻を噛んで割る、ビンの蓋を歯で開ける、大きな氷を思いっきり噛む、といった行為です。
オールオン4の最終的な歯が入ったら、自分の歯のように過ごし、何でも食べられる日々を送れるでしょう。
オールオン4の手術後に摂取したい栄養素
オールオン4の術後は栄養バランスの良い食事を意識することが望ましく、特に摂取を意識すべき栄養素があります。これは、手術部位の回復促進や、インプラントを固定する骨がしっかり作られるようにするためです。
特に意識したい栄養素は、具体的には次のとおりです。
<具体例>
タンパク質 | 骨や歯肉を作るのに必要 例:肉類、魚類、卵、大豆製品、牛乳、乳製品 |
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カルシウム | 骨の回復と形成に必要不可欠 例:乳製品、木綿豆腐、しらす、わかめ、小松菜、水菜 |
ビタミンD | カルシウムの吸収や骨の石灰化促進 例:きくらげ、カツオ、鮭、しらす、さんま、いくら、しめじ、鰻 |
ビタミンK | 骨の形成を促進 例:納豆、モロヘイヤ、春菊、ほうれん草、小松菜、チーズ、わかめ、しそ |
ビタミンA | 傷口の粘膜を強化 例:モロヘイヤ、春菊、ほうれん草、小松菜、人参、トマト、かぼちゃ |
ビタミンB | 粘膜や皮膚の炎症抑制 例:豚肉、レバー、鰻、牡蠣、たらこ、さんま、カツオ、アサリ、バナナ |
ビタミンC | 免疫強化とコラーゲン形成 例:果物類、ピーマン、ブロッコリー、キャベツ、ゴーヤ |
ビタミンE | 皮膚の治癒を促進 例:オリーブ、ほうれん草、かぼちゃ、アボカド、マンゴー |
鉄分 | 傷口の修復に必要な酸素の運搬 例:イワシ、カツオ、鮭、さんま、マグロ、レバー、納豆、ひじき |
術後すぐから治療期間中はこうした栄養素を意識して、バランスの良い食事を心がけましょう。
オールオン4手術後の食事・飲み物に関するよくある質問
オールオン4手術後の食事や飲み物に関するよくある質問をいくつか紹介します。
オールオン4手術後の食事で注意点はありますか?
オールオン4施術後の食事は、以下の2点に注意してください。
- 手術後2ヶ月は硬い食べ物を避ける
- 熱い食べ物や刺激物を避ける
硬いかどうかの判断として、お箸で切れるものであるかが大切なポイントです。手術後2ヶ月間は、お箸で切れるものを意識して摂取してください。
オールオン4の手術後にアルコールは飲めますか?
オールオン4の手術後は、アルコールの摂取はおすすめしません。というのも、アルコールには血行を良くする働きがあり、出血の増加や止血までに時間がかかるなど、回復に影響を及ぼすからです。
こうしたリスクから、手術後少なくとも2週間程度は控えましょう。
オールオン4の手術後にコーヒーは飲めますか?
オールオン4の手術後は、コーヒーの摂取は控えましょう。というのも、コーヒーに含まれるカフェインには血管の拡張作用があるからです。
血管の拡張によって血行が良くなり、傷口の治りを悪くする可能性が高まります。最悪の場合、傷口からの出血を促しかねません。
よって、オールオン4の手術後数日間は、コーヒーの摂取を控えてください。
また、コーヒーによって着色(ステイン)することもあるので、仮歯が着色してしまわないためにも可能な限りコーヒーの摂取は控えましょう。
オールオン4手術後の食事以外での注意点はありますか?
オールオン4の手術後は、以下12個の点に注意してください。
- 手術後の仮歯は安定していない状態なので強い力をかけない
- 手術後の腫れは濡れタオルで軽く冷やす(冷やしすぎないようにする)
- 手術後のうがいは歯科医師の指示を守る
- 喫煙をしない
- 患部に直接歯ブラシを当てない
- 手術直後の入浴を控える
- 激しい運動をしない
- 手術当日は車の運転をしない
- 処方された抗生物質を全て飲み切る
- 指で唇や口角を引っ張らない
- 舌や指で手術部位を触らない
- 食事時以外でカチカチしたりグリグリ噛みしめたりしないようにする
手術後は、仮歯が安定していないうえに傷口もあるため、正しい口腔ケアが欠かせません。治癒を少しでも早めるためにも、身体に負担をかけない生活を心がけましょう。
まとめ:オールオン4の手術後は当日から食事ができる
この記事では、オールオン4の術後からできる食事について具体例とともに解説しました。
オールオン4は、術後すぐから食事ができる治療法で、治療中は、次のように時期によって食べられるものが増えていったり、注意すべき点があったりします。
- 術後当日〜2日目:ゼリーなど流動食が推奨される
- 術後3日後から:「お箸で切れるもの」が食べられる
- 術後4週目は要注意!:骨の中でのインプラントの固定が一時的にゆるくなりうる
- 術後2ヶ月間:硬いものは絶対に避ける
- 術後3ヶ月以降:さらに食べられるものが増える
- 術後6ヶ月以降:最終的な歯が入り何でも食べられる
最終的にオールオン4の治療が成功して自分の歯のように何でも食べられるようになるため、治療中は担当の歯科医師の指導のもと、その時期に応じた食事を心がけ栄養バランスの良い食事をとりましょう。

- 手術自体の痛みが不安で、踏み切ることができない
- 治療がうまくいくかどうか、長期的に問題なく使えるかが不安
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