PHIJのオンライン講義を受けました:レポート報告⑤
2021年03月3日
PHIJのオンライン講義を歯科助手、歯科衛生士が受けてきました。そして、みなさんレポートにまとめてくれたので、そのレポートを公開しようと思います。
みんな熱心にレポートにまとめてくれて、アウトプットしていただきました。
正直、完成度の高いレポートばかりです。
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以下、歯科衛生士アルキマリ早紀のレポートです。
PHIJ~世界水準の予防歯科医療を目指して~
まずはじめに歯科治療をしている風景を想像してみてほしい。みんなが当たり前のように想像する場所、それは歯科医療のユニットだと思う。しかし”人生100年時代”の今、その場所は当たり前ではなくなってきている。超高齢化社会の中でひつようとされている、そしてこれから更に必要とされていくのは訪問歯科診療である。私自身も永田歯科医院で外来診療のほかに訪問診療にも携わっているので今回私が参加させて頂いたセミナーのテーマ『なぜ医療連携に歯科衛生士は必要なのか』は今まさに自分に必要なテーマであり自分の経験と重ね合わせながら親身になり視聴することができた。
上の図のように訪問歯科では多職種連携、情報の共有が重要になってくる。そして、もう一つ重要になってくるのは患者さんはもちろん、その家族の意思や意見にも目を向けるということ。患者さん本人、家族がどこをゴールにするのかを明確にし、それに寄り添う事が大切だということが再確認できた。嚥下障害のある患者さんの場合は栄養状態もだいじになるので患者さん、家族の同意を得て、管理栄養士の介入も考える必要がある。また必要であればエングリードなどの少しで高カロリーなものの摂取も必要になる。
エングリードとは…?
消費者庁から許可された特別用途食品、嚥下困難者用食品。許可基準Iを取得したゼリー。
また外来への通院が難しくなり訪問に移行するパターンの他に施設から在宅へ戻り、そこで訪問歯科診療を希望される患者さんのパターンもある。それは何を意味するのかというと最期を看取る、ということだ。最後まで口から食べたい、または最後まで口から食べさせてあげたい。その要望に寄り添う為には、口腔内の状態が整っていることが必要不可欠である。ただ、私達にとっては少しの変化でも高齢者の方にとっては大きな変化で、それが引き金で何か起こるかもしれないということを常に頭に置き、訪問時にささいな変化でも声を掛けDrにその情報を共有することが大事だと思った。
実際に入院している患者さん、手術を受ける患者さんへのケアはどうして大切なのか?
手術・がん治療全般における ・口腔衛生管理
・口腔機能管理
手術に伴う多くの合併症の予防 ・人工呼吸器関連肺炎(VAP)
・創部感染(SSI)
口腔に現れるさまざまな副作用の予防 ・口腔粘膜
・口腔乾燥
・カンジダ性口内炎
がん治療に伴う口腔合併症の発症頻度は40%化学療法、80%造血幹細胞移植、100%頭頚部放射線治療といわれている。いかに口腔ケアが大切かということがわかる。また口腔内の状態によっては薬量の変更や治療の延期を必要とすることもある。歯科衛生士は、口腔ケアを通してがん治療を支援している。
周術期口腔機能管理の対象疾患は
・心臓血管外科手術 ・脳卒中に対する手術
・悪性腫瘍の手術 ・化学療法
・人工股関節置換術等の整形外科手術 ・放射線治療
・臓器移植手術 ・緩和ケア
・造血幹細胞移植
良かった事
・改めて訪問の有り方や家族との関わり方を考える機会になった。
・がん患者や手術前後の口腔ケアの必要性がわかった。
・自分の仕事がどれだけ重要なポジションなのかを再確認できた。
分からなかった事
・管理栄養士介入時の患者さんのカロリー摂取の計算、食事、間食をどのように把握しているのか。
・周術期に行うプラークフリー法は具体的に何を行うのか。
・最期を看取る患者さん家族の心のケア
これから私は何を変えるのか
・訪問に行った際に口腔内だけでなく、その他のささいな変化にも気付けるよう今まで以上に気を付ける
・患者さんの飲み込みの状態や誤嚥性肺炎の危険性をドクターと再度確認する
・周術期の患者さんが来院されたときに口腔ケアの大切さをもう一度お話しする