タバコがお口や歯に与える害とは?ニコチンとタールに歯医者は悩んでます…
タバコには、約4000種類もの化学物質が含まれています。その中の約200種類の物質が人体に影響を与える有害物質です。
中でも、ニコチン、タール、一酸化炭素は有名ですよね?
この記事では、タバコがお口に与える害をテーマに紹介していきます。
もちろん、タバコには人とのコミュニケーションを円滑にするメリットもあるでしょう。しかし、タバコに含まれる成分を見れば、デメリットしかありません。
タバコがお口や歯に与える害について、少しでも興味があるならぜひ最後まで読んでほしいです。喫煙者ならタバコをやめざるを得なくなりますよ。
目次
タバコがお口や歯に与える害について、サクッと知りたい人は以下のYouTube動画を見てみてください。
タバコがお口や歯に与える害とは?
" class="img-border">
タバコの成分だけに限って見てみれば、良いことなんて1つもありません。喫煙は害でしかないのです。
- 歯が黄ばむ
- 口臭
- 歯周病
- 虫歯
- 歯茎が黒ずむ
- 治療ができなくなる可能性
タバコがもたらすお口への悪影響は以上のようなもの。歯が黄ばむことや口臭に関しては、非喫煙者であっても知っている方が多いでしょう。
ただ、タバコがお口に与える影響は、それだけではありません。
患者様を毎日たくさん見ていると、歯周病の患者様の多くが喫煙者です。歯医者さんの問診票に、「普段からタバコを吸いますか?」という項目が設定されている理由も納得ですよね。
それだけ、タバコによって歯や歯茎を悪くしてしまう人が多いということ。
しかしなぜ、タバコを吸うことで、お口に悪影響が出るのでしょうか?
細かく見ていきましょう。
タバコによって歯が黄ばむ理由
喫煙者なら恋人や友人から、「タバコを吸ってると歯が黄ばむよ。」と言われた経験がある人も少なくないでしょう。
タバコによって歯が黄ばんでしまう理由は、タールです。タールは、タバコの三大有害物質の1つ。(タバコの三大有害物質、ニコチン、タール、一酸化炭素)
タバコに含まれるタールによって、歯は黄色っぽくなります。
タバコで黄色っぽくなると言えば、ヤニという言葉を連想する人も多いでしょう。ヤニとは、タバコの煙成分の中で一酸化炭素やガス状の物質を抜いたもののこと。
つまり、粒子状の成分のことを指します。まさに、タールはヤニに当たります。
タバコを大量に吸う部屋では、壁が黄色っぽくなりますが、これもヤニによる影響ですね。同じ現象が歯でも起こっているのです。
タバコによる虫歯・口臭
タバコのヤニが口に付着すると、歯が黄ばむだけではありません。ヤニは粒子状の成分ですので、歯にくっつくと歯がザラザラになります。
虫歯菌(プラーク)はツルツルな歯よりもザラザラの歯の方がくっつきやすいです。ロッククライミングを例に出すと、ボコボコした突起が多い方が手を引っ掛けやすく、登りやすくなりますよね。
逆にボコボコが少ないツルツルの壁だと、手を掛けることが困難なため登りにくいです。
虫歯菌も歯の表面がボコボコとしていた方がくっつきやすく、虫歯が増えます。
そして、その虫歯菌によって口臭も強くなってしまいます。タバコを吸うだけで、虫歯や口臭のリスクが高まってしまうのです。
タバコによる歯周病
喫煙者と非喫煙者を比べると、喫煙者の方が約4倍歯周病になるリスクが高まります。
タバコのヤニによって、歯や歯茎にまで虫歯菌が付着。歯周病も虫歯菌によって引き起こされるため、タバコを吸うだけで歯周病のリスクは高くなります。
そして、タバコが怖いのはニコチンの効果です。ニコチンは吸うと心地よくリラックスする効果があります。これがまさに、タバコの依存性。
ニコチンには、血管を収縮させる効果があります。血管が収縮すると、老廃物が流れにくくなるだけでなく、栄養素や酸素まで血管を流れにくくなります。
そのため、出血も少なくなるのが特徴。出血がなくなると、実際は炎症を起こしているのに出血しないということが起こってしまいます。つまり、炎症に気が付きにくくなってしまいます。
歯周病はただでさえ自覚症状がない病気です。タバコを吸っていると、歯周病が進行していることに気がつかないことがほとんど。気がついたときには、口全体が歯周病に侵されていることも珍しくありません。
歯周病が重篤化すると、歯が全て抜けてしまう恐ろしい病気です。総入れ歯にならないためにも気をつけたいところです。
タバコによる歯茎が黒ずむ
タバコによって歯茎が黒ずむことがあります。健康的なピンクの色はしておらず、黒ずんだ汚い色になってしまいます。
この原因はニコチンによる血管収縮。健康的なピンク色の歯茎は毛細血管がしっかり流れている色でもあります。
その毛細血管が収縮することで、血の通ったピンク色にはならずに黒ずんで見えるのです。
歯周病が気が付きにくい理由の1つに歯茎が黒いことが挙げられます。
タバコが治療の妨げになる
" class="img-border">
歯を失ってしまった場合の治療方法は主に3つあります。
- 入れ歯
- インプラント
- ブリッジ
この中でも、歯医者が強くおすすめしたいのがインプラントです。第二の永久歯とも言われるほどしっかりとしていて、よく噛めることが特徴です。
しかし、タバコをよく吸っている人は、インプラントを断られるケースがほとんど。
ニコチンは免疫力を低下させてしまう働きがありました。免疫力が低下してしまうと、インプラントと骨がくっつきにくくなってします。さらに、細菌感染が起きる可能性も。
また、インプラントをしている人の喫煙によって、インプラントが外れてしまうケースもあります。
インプラントは機能が優れているため、金銭的に余裕があれば、インプラントにするのがおすすめ。そのため、タバコを吸っているだけでインプラントができなくなることは覚えておきましょう。
黄ばみを消すための歯磨き粉はおすすめしません
" class="img-border">
「タバコは吸いたいけど歯の黄ばみは消したい!」という方は、研磨剤の入った歯磨き粉を使うこともあるでしょう。
ただ、研磨剤入りの歯磨き粉は基本的に使わない方が良いです。
タバコによる、歯の黄ばみやホワイトニングするために使う人も多い研磨剤入りの歯磨き粉。実は、歯の表面を削っているだけ。
ずっと使用していると、歯がどんどん痩せ細っていきます。歯の表面にある白いエナメル質を削ってしまうことで、エナメル質の下にある黄色い象牙質が出てきてしまうのです。
結果、研磨剤入りの歯磨き粉を使うと、象牙質が出てきて黄色っぽく見えてしまいます。
タバコは吸わない方が良い
結論、タバコは吸わない方が良いです。虫歯や歯周病、口臭の原因になったり、将来的には治療もできなくなることもあります。
人とのコミュニケーションを円滑にするツールかもしれませんが、体には良い影響をこれっぽちも与えることはありません。
タバコを吸っている人は禁煙をして、いつまでも健康な歯でいられるように頑張りましょう。