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インプラント手術の麻酔「局所麻酔」と「静脈内鎮静法」の違いや費用を歯科医が解説

「インプラントって、麻酔しても痛いんじゃないですか……?」

そんな不安を抱えて、インプラント治療に踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

過去の経験から「注射が苦手」「歯医者が怖い」と感じている方は少なくありません。

しかし、インプラント治療では必ず麻酔を使用するので、治療中に痛みを感じることはありません。麻酔なしでは治療が進められないため、これはすべての治療で共通する原則です。

さらに近年では、患者さんの不安や恐怖心に配慮して、「静脈内鎮静法」などのリラックス麻酔を併用する歯科医院も増えています。眠っているような状態のまま治療が受けられるため、「手術中のことをほとんど覚えていない」という人もいるほどです。

この記事では、インプラント治療に用いられる各種の麻酔方法について、歯科医師の視点からわかりやすく解説します。

痛みや不安をできるだけ減らしてインプラント治療を受けたい、そんな方の不安を解消できる内容となっています。ぜひ最後まで読んでみてください。

目次 非表示

インプラント治療は麻酔を使うので痛みは感じない!

インプラント治療では、外科的な処置の際に必ず麻酔を使用するため、痛みを感じません。麻酔を使用しなければ当然患者の痛みも強いので治療を進めることができないからです。

歯科治療で用いる「麻酔」には、具体的には以下の種類が挙げられます。

  1. 治療部位の歯肉に行う「局所麻酔」
  2. 患者の状態や希望によって併用する「静脈内鎮静法」
  3. インプラントではほとんど使わない「全身麻酔」
  4. 歯科医院によって扱っているところもある「笑気ガス麻酔」

それぞれの麻酔法について概要を簡単に解説していきます。

治療部位への「局所麻酔」は必ず行う

歯科治療で最もよく使われている「局所麻酔」は、インプラント治療でも必ず使用します。インプラント治療の中で外科的な処置を行う際、治療部位の歯肉に行う「局所麻酔」をしなければ、当然痛みがあるからです。

「局所麻酔」には、「表面麻酔」、「浸潤麻酔」、「伝達麻酔」があり、歯科治療で必ず行う「局所麻酔」といえば「浸潤麻酔」です。

表面麻酔 歯肉などの粘膜表面に塗る、スプレーやジェル状の麻酔薬。浸潤麻酔の前に補助的に行うことがある。
浸潤麻酔 歯肉などの粘膜に注射する麻酔。粘膜に注射された麻酔薬が粘膜下の組織の中にしみ込む(浸潤する)ことで作用する。
伝達麻酔 主に口の中の奥のほっぺた側に注射する麻酔。下顎の骨の中を通る神経(下歯槽神経)の根元付近(下顎枝の内側、下顎孔付近)に麻酔をかけて、下顎の奥歯から前歯までの広範囲に作用する。

歯科治療で「チクッとしますよ」と声をかけられて注射される麻酔が「浸潤麻酔」です。この注射のチクッとする痛みを緩和させるために、はじめに「表面麻酔」を使うこともありますが、必ずしもどこの歯科医院でも毎回使われるわけではありません。

「伝達麻酔」は、主に下顎の親知らずの抜歯など、下顎の奥歯の治療で「浸潤麻酔」では麻酔が効きにくい場合に使われます。

虫歯治療や根管治療などの一般歯科治療でも使われている「局所麻酔」である「浸潤麻酔」は、インプラント治療でも必ず使われており、必要に応じて「伝達麻酔」も使います。これにより、患者は外科処置の痛みを感じることなく治療を受けられます。

患者の状態や希望によって「静脈内鎮静法」を併用することもある

患者の状態や希望に応じて、局所麻酔だけでなく「静脈内鎮静法」という麻酔法を合わせて使う場合もあります。「静脈内鎮静法」は、眠ったような状態になっている間に治療を進められるので、治療が怖い方や緊張して血圧が上がりやすい方などに使われます1

「静脈内鎮静法」は、静脈に点滴で鎮静剤を投与して中枢神経に作用する方法で、ウトウトと眠ったような状態でリラックスして手術を受けられます。

全身麻酔と違って完全に意識を失う方法ではないので、人工呼吸器なども必要なく自分で呼吸ができます。

「静脈内鎮静法」を使った治療中は、歯科医師からの声かけにも反応できたりしますが、患者本人は治療中のことをあまり覚えていなかったりする人もいれば、ぼんやり覚えていたりする人もいます。そのため、「リラックス麻酔」と呼ばれることもあります。他にも、「静脈麻酔」「セデーション」「鎮静法」「IVS」などの呼び方があります。

インプラント治療では、局所麻酔に加えて、患者の状態や希望によって「静脈内鎮静法」を併用することもよくあります。

インプラント治療で「全身麻酔」を使うことはほとんどない

インプラント治療では、「全身麻酔」を使うことはほとんどありません。「全身麻酔」が必要な場合もほとんどなく、もし「全身麻酔」を使うとなると一般的な市中の歯科クリニックではやっていないことが多く、大きな病院での手術になるからです。

完全に意識を失って人工呼吸が必要になる全身麻酔を、インプラントで必要とするのはかなり特別なケースに限ります。たとえば次のようなケースがあります。

  • 上下顎すべてにインプラントを埋める大規模手術
  • 体の他の部位から骨を採取して顎全体の骨移植を伴う大規模な再建手術
  • 重い病気や障害があって局所麻酔や静脈内鎮静法では治療が困難な場合

こうしたケースでは、大学病院や総合病院の口腔外科で麻酔科医の管理のもと安全に全身麻酔が行われます。

一般的なインプラント治療では、「全身麻酔」を使うことはほとんどありません。ほとんどのケースで「局所麻酔」や「静脈内鎮静法」が用いられ、十分に安全・快適に治療を受けられます。

インプラント治療で「笑気ガス麻酔」を扱うところもある

インプラント治療に使われる麻酔として、局所麻酔に加えて「笑気ガス」を使っている歯科医院もあります。

「笑気」と呼ばれる麻酔ガスを鼻マスクで吸入し、不安や恐怖心を減らしリラックスした状態になる方法です。「笑気」は「亜酸化窒素」のことで、この麻酔法を「吸入鎮静法」とも言います。笑気ガスによる麻酔は、静脈内鎮静法よりは麻酔レベルが浅いものです。

「笑気ガス麻酔」でリラックスした状態になりますが、眠ったりはせず目は開いた状態でいるのがほとんどで、患者は呼びかけにも正常に反応できます2

適応となるのは、次のような人が挙げられます。

  • 歯科治療に不安や恐怖がある成人や小児(おおむね3〜4歳以上)
  • 歯科治療時のストレスが原因で失神や過呼吸になってしまう人
  • 全身疾患があり歯科治療によって状態が変動する可能性がある人(高血圧など)
  • 歯科治療でオエッとなりやすい人(絞扼反射、嘔吐反射の強い人)
  • 筋肉の痙攣などで体が動いてしまう病気のある人(脳性麻痺など)
  • 歯科治療に協力的な、知的能力障害のある人

子供にも使うことができる麻酔法なので、小児歯科を専門でやっている歯科医院なら取り扱っていることが多いです。

ただし、鼻から吸入するので、鼻呼吸ができなかったり鼻の疾患がある人は適応できません。

また、妊娠初期の方や、体内に塞がれた空間ができる疾患(気胸や腸閉塞など)のある人など、笑気ガス麻酔を行うことができないケースもあるので注意が必要です。

インプラント治療で、局所麻酔に加えてリラックスさせる麻酔法として「笑気ガス麻酔」を扱っているところもあります。

インプラント治療で必ず使う「局所麻酔」は歯科治療でよく使われている麻酔法

一般的な歯科治療はもちろん、インプラント治療でも必ず使われている「局所麻酔」は、どの歯科医院でも毎日のように行われている麻酔法です。

局所麻酔は、歯科治療を行う口の中の一部にだけ使うことができ、短時間で効いて短時間で切れる麻酔で、全身への影響やリスクは比較的少ないからです。

前述したように、「局所麻酔」には「表面麻酔」、「浸潤麻酔」、「伝達麻酔」があります。インプラント治療では、「局所麻酔」として「浸潤麻酔」と「伝達麻酔」を使用することが多く、いずれも使用する麻酔薬は同じです。

「浸潤麻酔」や「伝達麻酔」を主として、「局所麻酔」について解説していきます。

「局所麻酔(浸潤麻酔、伝達麻酔)」の効果と安全性

インプラント治療などの歯科治療で最もよく使われている「浸潤麻酔」や「伝達麻酔」は、短時間で確実に痛みを抑えられる最も信頼性の高い方法です。

使用する麻酔薬には、次のようなものがあります3

  • 麻酔薬リドカイン+血管収縮薬エピネフリン(アドレナリン):最も標準的な麻酔薬
  • 麻酔薬プロピトカイン+血管収縮薬フェリプレシン
  • 麻酔薬メピバカイン

それぞれの効果と安全性について簡単に解説します。

1.麻酔薬リドカイン+血管収縮薬エピネフリン(アドレナリン)

歯科治療における「局所麻酔(浸潤麻酔)」といえば、これが最も標準的な麻酔薬です。組織に良く浸透して、効果が出るのも極めて早く、麻酔効力も高いです3

具体的には、歯科治療において90〜95%以上の麻酔成功率が報告されており、平均2〜3分で効果が出て、60〜90分ほど効果が持続します3,4,5

通常の歯科治療では、リドカインの最大安全投与量の上限を超えることはまずなく、安全域が広いといえます。また、血管収縮役であるエピネフリン(アドレナリン)により、麻酔効果が持続し出血の抑制ができます。適切な用量・注入速度で使用した場合、重篤な副作用は非常にまれ(発生率<0.1%)と報告されています6

麻酔薬プロピトカイン+血管収縮薬フェリプレシン

エピネフリン(アドレナリン)に比べて循環への影響が穏やかな血管収縮薬フェリプレシンを添加した麻酔薬です。

リドカイン+エピネフリンとほぼ同等の麻酔進度と持続時間を示すとされています。頻脈や高血圧が懸念される患者に対して、代替薬として使われます3

プロピトカインは体内で代謝される際にメトヘモグロビン血症を起こすことがあるため注意が必要です。妊婦への使用は、フェリプレシンに子宮収縮作用があるため禁忌です。

麻酔薬メピバカイン

血管拡張作用が弱いため、血管収縮薬を添加しなくても一定の持続効果があります。麻酔発現はリドカインよりやや遅いものの、循環器系への影響が非常に少ないのが特徴です。高血圧や甲状腺機能亢進症などで、血管収縮薬の使用ができない場合に使われます3

エピネフリン(アドレナリン)を含まないため、心拍数上昇や血圧変動が少ないです。一方で、止血効果や麻酔持続時間は30〜60分とやや短めです。

「局所麻酔」の費用

保険適用の歯科治療では、診療報酬点数票に基づき、局所麻酔は基本診療料に含まれる処置として算定されます。

例えば、虫歯治療や抜歯などで行われる「浸潤麻酔」は、単独での費用ではなく治療行為に含まれる形で点数化されており、麻酔そのものに大きな追加費用は発生しません。

おおむね数百円〜数千円程度の患者負担に相当します(自己負担3割の場合)。特殊なブロック麻酔や長時間処置の場合には加算が認められます。

インプラント手術や審美治療など自費診療では、局所麻酔の費用は別途設定されている場合もあります。一般的には1,000〜3,000円程度が相場です。

ただし、ほとんどの場合で治療費に局所麻酔代も含まれているので、実際に使用した局所麻酔薬の量によって追加費用がかかるということはほとんどありません。

「局所麻酔」のメリットとデメリット

浸潤麻酔や伝達麻酔といった「局所麻酔」には、メリットとデメリットがあります1,3。「局所麻酔」は麻酔薬を用いた医療行為なので、もちろんリスクやデメリットは全く無いわけではないからです。

まずは、次のような5つのメリットが挙げられます。

  1. 痛みの除去:神経伝達を一時的に遮断し、治療時の痛みを確実に抑制できる。
  2. 安全性が高い:治療部分にだけ作用するので、意識を保ったまま処置でき副作用も少ない。
  3. 回復が早い:麻酔が切れるとすぐに日常生活へ戻れる。
  4. 低コスト:経済的負担が少ない。
  5. 出血の抑制:血管収縮薬を併用することで止血効果が得られる。

一方で、次のような5つのデメリットが挙げられます。

  1. 注射の痛みや不快感:注射時の刺激や圧で軽い痛みや不快感がある。
  2. 一時的な感覚麻痺:治療後もしばらく唇・頬・舌にしびれが残ることがある。
  3. 個人差:その部位の炎症や感染や骨密度の状況により効きにくい場合がある。
  4. 稀な副作用:過量投与や血管内注入による中毒症状(めまい・動悸)など、副作用が全くのゼロではない。
  5. 精神的ストレス:注射に対する恐怖反応(血管迷走神経反射や過換気症候群)が出る人もいる

「局所麻酔」にはリスクやデメリットがありますが、「局所麻酔」による副作用やトラブルを回避するためには、薬剤の適応や禁忌を歯科医師がきちんと判断する必要があります。そのため、患者自身の全身の状態や飲んでいる薬などがあれば必ず事前に申告するようにしてください。

実際の治療で「局所麻酔」を使う流れ

インプラント治療などの歯科治療で、「局所麻酔」を使う時の流れを解説します。

1.全身状態の確認・説明 ・問診にて、既往歴(高血圧、心疾患、喘息、糖尿病、妊娠など)と薬物アレルギーの確認
・患者はその日の体調など何か問題があれば必ず申告
・医師が治療内容・麻酔の必要性を説明し、患者から同意を取得
・ASA(米国麻酔科学会)の分類7や既往に応じて麻酔薬を選択
(例:心疾患→フェリプレシン系、妊婦→リドカイン無添加)
2.必要に応じて表面麻酔 局所麻酔の注射前にリドカインゲルなどの表面麻酔剤を塗布し、痛みを軽減
3.浸潤麻酔・伝達麻酔の実施 ・治療する歯の周囲粘膜に注射し、麻酔薬をゆっくり注入
・麻酔効果が約2〜3分で発現
・麻酔が効いているか確認してから治療を開始
4.治療中のモニタリング ・非麻酔科医による局所麻酔でも生理的モニタリングが望ましい7
・生体管理モニターを使って、血圧・脈拍・酸素飽和度(SpO2)を観察
・麻酔薬の使用や治療によって血圧や脈拍などに異常な変動がないか確認しながら治療を進める
5.治療後の説明・経過観察 ・治療後の注意点を説明
・麻酔が切れるまで熱いものを食べて火傷したり唇や舌を噛まないように注意
・痛み・腫れ・しびれ・出血が長く続く場合は歯科医院に連絡
・帰宅前に意識・血圧・呼吸の安定を確認

痛みや不安を抑えるには「静脈内鎮静法」の使用がおすすめ

インプラント治療では、浸潤麻酔や伝達麻酔といった「局所麻酔」を必ず使用するので痛みは感じずに治療を受けられますが、歯科治療に対する不安や緊張があって心配な人には、「静脈内鎮静法」も併せて使用することがおすすめです。

なぜなら、歯科治療に対する不安や緊張は、心拍数の上昇や血圧の変動、過換気(過呼吸)などの偶発症を引き起こすリスクがあるため3、「静脈内鎮静法」によってリラックス効果を得ることが効果的だからです。

「静脈内鎮静法」は「全身麻酔」とは全く異なる

点滴で眠ったような状態になる「静脈内鎮静法」は、いわゆる「全身麻酔」ではありません。

「静脈内鎮静法」とは、意識を保ったまま不安や恐怖を軽減して快適に治療を受けるための方法であり、全身麻酔とは異なり、患者の自発呼吸と意識を維持することを目的としています1

つまり、全身麻酔のように、気道確保や人工呼吸を必要としない範囲で行います。

具体的にかんたんに説明すると、次のようになります。

  • 「静脈内鎮静法」:うとうと眠いけど、声をかけられると反応できる状態。リラックスして歯科治療を受けられる
  • 「全身麻酔」:完全に眠って意識も呼吸も自分ではできない状態。医師が呼吸・血圧・体温などをすべて管理する必要がある

また、「静脈内鎮静法」と「全身麻酔」の違いを比較すると次の表の通りです。

静脈内鎮静法(IVS) 全身麻酔(General Anesthesia)
意識 あり(眠そうだが呼びかけに反応) 完全になし(意識消失・無反応)
呼吸 自分で呼吸できる 自分で呼吸できない。人工呼吸器で管理される
使用薬剤 ミダゾラムなど抗不安薬・鎮静薬 吸入麻酔薬・静脈麻酔薬・筋弛緩薬など複数
目的 不安・恐怖をやわらげ、リラックスして治療を受ける 意識・反射・痛みを完全に遮断して手術を行う
回復時間 数十分で覚醒し、日帰り可能 覚醒に時間がかかり、入院が必要な場合が多い
モニタリング 血圧・脈拍・酸素飽和度などの基本項目の監視 左に加えて呼気ガス・体温・筋弛緩度など詳細の監視が必要
施行場所 歯科医院・外来手術室でも可 原則として病院の手術室
安全性(リスク) 呼吸抑制などに注意が必要だが、訓練を受けた歯科医が管理すれば安全 高度管理下で安全に行われるが、身体への負担は大きい

このように、「静脈内鎮静法」は「全身麻酔」とは全く異なるもので、歯科クリニックでも行われている麻酔法になります。

「静脈内鎮静法」の効果と安全性

「静脈内鎮静法」は、腕に点滴をして、抗不安薬(ミダゾラムなど)を投与してリラックスした状態にする方法です。

全身麻酔とは違って意識は保たれていますが、眠気があり、時間の感覚も薄れ、処置中の不安や恐怖を感じにくくなります。

  • 使用薬剤:主にベンゾジアゼピン系薬物(ミダゾラムなど)、静脈麻酔薬プロポフォール
  • 効果:抗不安、鎮静、健忘、筋弛緩作用などの中枢神経抑制作用
  • 目的:歯科治療に対する不安や恐怖の緩和、循環動態の安定、過呼吸の予防・抑制、骨格筋の緊張・不随意運動の予防・緩和、異常な神経反射(血管迷走神経反射,異常絞拒反射など)の抑制、行動調整、痙攣発作の予防、健忘

静脈内鎮静法を行う際には、適切な生体管理モニタリングと滴定投与(薬を少しずつ調整する方法)を行えば安全に実施できます1

ASA(米国麻酔科学会)ガイドラインでは、静脈内鎮静法において、患者の状態の観察+生体管理モニタリング+事前に定めた退室基準が重要であると示され、歯科領域でもこの考えが採用されています。

また、少量ずつ効果を見ながら麻酔薬を追加することで過鎮静や呼吸抑制を避け、安全な範囲での使用を維持できます。

特に複数の鎮静薬を併用する場合は、相乗的に呼吸抑制を増強するため、滴定投与と継続的な生体管理モニタリングが必須です7。日本国内ではミダゾラム投与後の呼吸抑制発生率は0.3〜1.0%未満と報告されていますが、多くは過量または追加投与時に発生しています。

なお、静脈麻酔薬プロポフォールは用量依存的な呼吸抑制・低血圧を起こし得るため、訓練を受けた術者による生体管理モニタリング下での運用が原則です。

「静脈内鎮静法」は、科学的根拠やガイドラインに基づいた適切な投与方法と管理下で行うことで、安全に受けられます。

静脈内鎮静法適応できる人や適応してはならない禁忌の人をきちんと判別し、術前後に適切な管理を行うことで、実施時に安全性を確保しています。

「静脈内鎮静法」の費用

一般的な歯科クリニックで歯科治療時に「静脈内鎮静法」を行う場合、原則として健康保険の適用外で自費診療となります。患者の恐怖心や不安を軽減するための「静脈内鎮静法」は、医療上の必要性が限定的と判断されるため、日本の保険診療には含まれないからです。

全国の歯科医院では、インプラント治療などで静脈内鎮静法を行う場合、1回あたり2〜10万円程度かかります。歯科医院によって実施時間、使用薬剤、手術の種類などにより料金が変動します。

例えば、1時間分の料金で時間が追加になるとその分追加になったり、長時間の全顎的なインプラント治療(オールオン4など)だと料金が変わったりします。また、治療費に静脈内鎮静法の費用も含まれている歯科医院もあります。

「静脈内鎮静法」は自費となる自由診療になりますが、1回2〜10万円程度の費用がかかります。歯科医院によって費用は異なるので、事前に確認しておきましょう。

「静脈内鎮静法」のメリットとデメリット

リラックスして歯科治療を受けることができる「静脈内鎮静法」には、メリットとデメリットがあります。

次のような5つのメリットが挙げられます。

  1. 不安や恐怖やストレスが軽減され、快適に治療を受けられる
  2. 治療中の記憶があまり残らず、トラウマを防げる
  3. 血圧や脈拍の変動が少なく、偶発症が起きにくい
  4. 患者の不安や嘔吐反射などを抑えることで、治療を安全にスムーズに進められる
  5. 短時間で効果が出て、終了後も回復が早い

こうしたメリットがあることから、静脈内鎮静法を行うことで、患者満足度はもちろん治療の成功率が高いと言われています8,9,10,11

一方で、静脈内鎮静法で用いる薬剤の影響により、次のような5つのデメリットがあります1,11,12,13

  1. 術中に血圧低下や徐脈になったり、ごく稀に呼吸が浅くなったりすることがある
  2. 術後に軽度の脱水や倦怠感、気持ち悪さが生じる人もいる
  3. 頭がぼんやりする健忘作用があるため、治療中の会話の内容を忘れてしまうことがある
  4. 高齢者など代謝能力が低下した患者では、鎮静から目覚めるのが遅くなることがある
  5. 治療後に一時的な眠気やふらつきが残ることがあり、当日は車やバイクや自転車の運転ができない

薬剤の作用によるデメリットは、歯科麻酔専門医または研修を受けた歯科医が適切な管理を行い、適切な投与を実施することで抑えることが可能です。

また、こうした薬剤作用の特徴から、治療後には付き添いの人と一緒に帰宅するように指導が行われている歯科医院も多くあります。

静脈内鎮静法は、鎮静薬や静脈麻酔薬といった薬剤を用いる以上、メリットだけでなくどうしてもデメリットがあります。しかし適切な管理下での使用と術後指導を徹底することで、デメリットを上回るメリットが得られます。

「静脈内鎮静法」が向いている人5パターン

インプラント治療で、局所麻酔と併せて「静脈内鎮静法」を使うのが向いている人は、次の5パターンです。

  1. 歯科治療に対し、不安や恐怖感が強い人(歯科治療恐怖症)
  2. これまでに歯科治療中に気分不良や意識消失などの経験があり、精神的要因が強い人
  3. 異常絞扼反射(強い嘔吐反射)がある人
  4. 高血圧・心疾患・脳血管障害など全身疾患の既往がある人
  5. 長時間かかったり大きな侵襲があるインプラント手術を受ける人

これからインプラント治療を受ける予定の方や検討中の方で、上記に該当する場合には、治療時に局所麻酔と併せて「静脈内鎮静法」を使うことを検討することがおすすめです。

「静脈内鎮静法」ができない人3パターン

インプラントなどの歯科治療において、局所麻酔に併用して静脈内鎮静法を使うことができない人もいます。全身の状況によって、静脈内鎮静法で用いる薬剤を適応してはならない(=禁忌である)場合があるからです。

具体的には以下が挙げられます1

  1. 妊娠初期の人
  2. 静脈内鎮静法で使用する薬剤にアレルギーがある人
  3. 静脈内鎮静法で使用する薬剤が禁忌である人(重症筋無力症、急性狭隅角緑内障、HIVでプロテアーゼ阻害剤投与中の人)

この3つのいずれかに該当する人は静脈内鎮静法を行なってはならないため、事前の問診や検査の際には必ず自身の全身状態や使用中の薬やアレルギーなどを申告してください。

また、静脈内鎮静法を行うことは可能ですが特に慎重な対応が必要な人もいます。具体的には下記の6パターンです1

  1. 気道が狭くなりやすい人(高度肥満、小顎症、扁桃肥大、睡眠時無呼吸症候群など)
  2. 治療時に胃に食べ物や飲み物が残っている人(食事から6時間以内など)
  3. 重度の全身疾患があり、特に呼吸や血圧が変動しやすい人(心臓や肺の病気や体力低下)
  4. 過去に静脈内鎮静法でトラブルがあった人(気分不良、過呼吸、不穏、興奮、パニック反応など)
  5. 精神安定剤や睡眠薬を長期間服用している人(抗うつ薬、抗不安薬、ベンゾジアゼピン系薬など)
  6. 筋ジストロフィーなど筋力や呼吸が弱くなる病気がある人

この6つに該当する場合には静脈内鎮静法ができないわけではありませんが、より慎重な評価と事前準備が必要になり、細心の注意を払わなければなりません。

事前の問診と検査、かかりつけ医師との情報共有と連携、適切な生体管理モニタリングと準備を行うことで、多くの場合で安全な静脈内鎮静法が可能です。

ただし、歯科医院によっては十分な設備が整っておらず対応ができないところもありますので、事前によく相談し確認しましょう。

「静脈内鎮静法」をする時の実際の治療の流れ

インプラント治療や長時間の歯科治療などで静脈内鎮静法を行う際には、次のような流れで安全に治療を進めていきます。

全身状態の確認・詳しい問診 ・既往歴(心疾患、糖尿病、高血圧、喘息など)や、服薬内容の確認
・アレルギーの有無、これまでの麻酔でのトラブルの確認
・静脈内鎮静法の効果、安全性、リスクを説明し同意書を取得
・ASA分類(全身状態の評価)や疾患の有無に応じて、薬剤・投与量を調整
治療当日の体調や絶飲食の確認 ・治療当日には患者がその日の体調を必ず申告(睡眠不足、食事の時間、風邪など)
・食事は6時間前まで、水分は2時間前まで、などの事前の指示に従って来院
・胃に食べ物が残っていると鎮静中に嘔吐した場合に窒息の危険があるため、絶飲食を忘れてしまったら治療を延期することがある
点滴ルートの確保・静脈内鎮静法の開始 ・点滴(腕など)で静脈路を確保
・静脈内鎮静法で用いる薬剤を少量ずつ調整しながら投与
・約2〜3分でリラックスした状態になり、不安や恐怖が和らいで意識がぼんやりする
・声かけには反応できる“意識下”の状態を保って歯科治療開始
治療中の生体管理モニタリング(安全管理) ・生体管理モニターを使って、血圧・脈拍・酸素飽和度(SpO2)を観察
・麻酔科医や歯科麻酔認定医あるいは専門医、または研修を受けた歯科医がモニタリングを担当
・麻酔薬の使用や治療によって血圧や脈拍などに異常な変動がないか確認しながら治療を進める
・呼吸が浅くなったり、血圧が変動した場合にはすぐに必要な対応の実施
治療終了後の回復・状態確認 ・鎮静薬の投与終了後、少しずつ覚醒
・意識、血圧、呼吸が安定しているか確認
・しばらく院内で休憩、経過観察を行う
・帰宅できる条件(ふらつかず歩ける、会話ができる、血圧・脈拍が安定など)を満たしているか確認
帰宅時および帰宅後の注意点の説明と指導 ・当日は車、バイク、自転車の運転は禁止のため公共交通機関使用する
・重要な判断や仕事・勉強も翌日以降が望ましい
・できれば付き添いの方と帰宅する
・気分不良、吐き気、強い眠気などがある場合はすぐ医院に連絡

麻酔を使ったインプラント治療中や術後の注意点7つ

これまで解説したように、インプラント治療では「局所麻酔」や「静脈内鎮静法」などの麻酔が使われます。麻酔を使ったインプラント治療を安全に快適に受けるためには、治療中や治療後には注意点があります。

具体的には、下記の7つが挙げられます。

  1. 全身状態や服用薬などを事前に必ず申告する
  2. 治療前に麻酔について十分に説明を受けておく
  3. 治療中は血圧や脈拍などの「生体管理モニター」で安全を確認する
  4. 治療中に痛みを感じてきたらすぐに歯科医師に伝える
  5. 治療中や治療後に気分不良や異変を感じたらすぐ伝える
  6. 治療後の麻酔が切れた後の痛みには痛み止めの薬を使う
  7. 治療後は歯科医師の指示を守って過ごす

それぞれについて詳しく解説していきます。

全身状態や服用薬などを事前に必ず申告する

麻酔を使用した歯科治療を安全に受けるためには、患者自身の全身状態や、今飲んでいる薬などを事前に申告することが必要不可欠です。なぜなら、全身の状態や、今治療している病気や使用している薬の有無によって、歯科治療で使える麻酔薬や麻酔方法などが変わることがあるからです。

インプラントなどの歯科治療で使用する麻酔の薬剤には、アレルギーや、一緒に使うと有害な反応を起こす他の薬剤などがあり、全身状態や他の病気によっては適応できない人もいます。

治療中の全身の病気や使用している薬がある場合、必要に応じて歯科医院から医科へ連携を取るために手紙を送ったりします。

安全な歯科治療を行えるように、患者が通院中の医科から正確な情報を共有してもらうためです。患者の全身状態に配慮して、よりよい歯科治療を安全に受けるために必要な連携です。

健康診断なども長年受けていなかったり、特に医科にかかっていなかったりして、全身に病気があるのが明らかになっていないだけの人もいます。

もし「自分は今特に何の病気もなく病院に通っていない」と思っていても、歯科医院で治療のための事前検査で何らかの全身疾患の可能性が考えられた場合には、歯科治療を受ける前に医科を受診するように案内されることがあります。

口の中だけでなく全身の状態も事前にきちんと管理しておくことで、より満足のいく安全な歯科治療を受けられます。

インプラント治療などで麻酔を使ってスムーズに歯科治療を進めるために、日頃から自分の全身の状態を知っておき、必要なら医科で治療を受け、そうした情報は必ず歯科医院で事前に申告してください。

治療前に麻酔について十分に説明を受けておく

歯科医院で麻酔を使ったインプラント治療を受ける上で、麻酔について事前に説明を受けておくことが大切です。通常の歯科治療でもよく使われる「局所麻酔」や、リラックスした状態になる「静脈内鎮静法」は、血圧や呼吸などの全身状態に影響を与えうるものです。

そのメリットやデメリットはもちろん治療中・治療後の注意点について患者自身がよく知っておく必要があるので、事前にしっかり説明を受けましょう。

具体的には次のような点について、事前に確認しておくことがおすすめです。

使用する麻酔の種類ついて ・局所麻酔、静脈内鎮静法、笑気ガス麻酔、全身麻酔など、使用する麻酔の種類
・「痛みをとるのか」「不安・恐怖も軽減するのか」など、麻酔の目的
・使用する麻酔の費用
・使用する麻酔薬剤の効果や安全性
・使用する麻酔の起こりうる副作用やリスク
麻酔を使用するうえでの安全管理体制 ・麻酔を使用する治療中に麻酔科担当医がいるかどうか
・生体管理モニターで治療中の安全管理を行うか
・万が一トラブルが発生した場合にどのような対応をしているか
麻酔を使用した歯科治療当日の注意点 ・絶食ルールの有無(食事や飲水は何時間前までに終わらせないといけないか)
・治療当日の来院と帰宅の仕方(公共交通機関の利用)
・治療前何分前に来院し、全て終了し帰宅できるまでどれくらい時間がかかるか

こうしたポイントをきちんと事前に確認して説明を受け、麻酔を使用したインプラント治療を受けることに同意しましょう。不明点や不安点がある場合は、前もって必ず相談しておきましょう。

治療中は血圧や脈拍などの「生体管理モニター」で安全を確認する

麻酔を使用したインプラント治療中には、生体管理モニターで血圧や脈拍などを確認し、安全に治療を進めることが大切です。なぜなら麻酔薬によって血圧や脈拍や呼吸などに変化が起きうるので、生体に危険なほどの大きな変化が生じていないかを確認する必要があるからです。

生体管理モニターは、血圧・脈拍・酸素飽和度(SpO)を測定します。腕に血圧計のカフを巻き、1本の指先に小さなクリップをつけます。どれも痛みはなく数分ごとや連続で自動測定されます。

何か体の異常な変化が起きたらすぐに対処できるように、常にモニターでチェックできるようになっています。「局所麻酔」にあわせて「静脈内鎮静法」を使用して歯科治療を受ける場合には、麻酔科専門の担当医師が歯科治療中にもそばにいて安全管理することが必要です。

麻酔を使用する歯科治療では生体管理モニターでの安全管理が必須です。そうした適切な管理体制が整っている歯科医院でインプラント治療を受けることが推奨されます。

治療中に痛みを感じてきたらすぐに歯科医師に伝える

インプラント治療などの歯科治療中に麻酔を使用しているのに、もし処置中に痛みを感じるようならすぐに歯科医師に伝えましょう。麻酔の効果や持続時間には個人や治療部位によって差が生じることがあり、麻酔が効いていなかったり切れていたりするのは患者本人にしかわからないからです。

麻酔をしたら、実際に処置を開始する前に麻酔が効いているか確認されます。その時点でまだ麻酔が効いていない場合にはもう少し時間が経って麻酔が効くのを待つか、麻酔の薬剤量が不足していた場合には追加します。一度麻酔が効いてから処置を始めた後でも、しばらくして麻酔効果が切れてきて痛みを感じることがあります。

痛みがあると顔や体が動いてしまったり、患者自身が苦痛に感じたりして、安全に治療を進めることができません。そのような時には決して我慢せず、その場ですぐに歯科医師に伝えましょう。必要に応じて麻酔を追加してもらえます。

麻酔をしてインプラント治療を受けている最中、もしも痛みを感じてくるようなら、すぐにその場で伝えてください。麻酔の効果がある中で治療を進めることが、安全で満足度の高いより良い治療につながります。

治療中や治療後に気分不良や異変を感じたらすぐ伝える

麻酔をしてインプラント治療を受けている間や治療終了後に、もしも気分が悪くなったり何か体調に異変を感じたりしたら、すぐにその場で周囲のスタッフや歯科医師に伝えてください。

麻酔の薬剤の影響や、治療による身体的・精神的なストレスによって、気分が悪くなったり体調に変化が生じたりすることは少なくありません。そうした体の変化が、何か重大な異変のサインであることもごく稀にあるので、必ずその場で伝えましょう。

もちろん生体の反応の変化は、生体管理モニターで確認を行い安全管理しています。

しかし、それだけではわからない変化があったり、治療終了後に生体管理モニターの装着を外している場合に気分不良が起きたりすることがあります。必要に応じて治療を一時的に中止して休憩したり、治療終了後にしばらく休憩して回復するまで状態を観察したりします。

万が一、何か重大な異変が起きている場合には救急要請を行うなど、必要な対応がとられます。

麻酔や歯科治療の影響で、誰しも心身ともに何らかの変化やストレスは生じているので、気分が悪くなったり異変を感じた場合にはすぐに歯科医師やスタッフに伝えるようにしてください。安全に治療を受けて安全に帰宅するために必要なことなので、遠慮せずに伝えましょう。

治療後の麻酔が切れた後の痛みには痛み止めの薬を使う

インプラント治療などで麻酔を使い、治療が終了した後には痛みが出てくることがあります。麻酔の効果が切れて痛みを感じる状態に戻るからです。そのような場合には、歯科医院で処方される痛み止めの薬を使いましょう。

治療終了後にもしばらく麻酔の効果が残っていてすぐに痛みを感じることは多くはありませんが、帰宅後には麻酔が切れていることがあります。歯科医院を出る時点では痛みを感じず平気だと思っていても、その後から痛みを感じることがあるのです。

多くの歯科医院では、インプラント治療後に痛み止めの薬を処方するので、痛みを感じる際にはその薬を使いましょう。

痛み止めの薬には、痛みだけでなく炎症を抑える作用もあるので、術後の患部の腫れを抑えてくれます。痛みの程度には個人差がありますが、麻酔が切れる前に1回目の服用を指示する医院もあります。

麻酔が切れた後の歯科治療後の痛みには、我慢せずに痛み止めの薬を使用してください。強い痛みや、数日たっても治まらない場合は、我慢せず歯科医院にご相談ください。

治療後は歯科医師の指示を守って過ごす

「局所麻酔」や「静脈内鎮静法」などの麻酔を使ったインプラント治療を受けた後は、歯科医師の指示を守って過ごしましょう。治療後の過ごし方の注意点は、より満足のいく治療結果を得るために重要なポイントとなります。

治療直後や当日の主な注意点としては、次のような点が挙げられます。

  • 静脈内鎮静法を行なった際は、当日の車、バイク、自転車の運転は禁止
  • 麻酔が切れるまでは舌や唇を噛んだり火傷をしやすいため、飲食や咀嚼時に注意
  • 血の塊(血餅)が取れてしまうので、強いうがい、ぶくぶくうがいをしない
  • 血行が良くなって出血の原因になるため、強い運動、長時間の入浴、飲酒は避ける
  • 喫煙や刺激物の飲食は創傷治癒を妨げるため原則禁止
  • 痛み止めや抗生剤は歯科医師の指示どおりに服用する
  • 激しい痛み・出血・腫れが続く場合は、我慢せず医院に連絡
  • 治療部位の歯ブラシはしばらく控え、周囲はやさしく清掃するようにする

その人の治療内容や状態に合わせて注意点が異なります。具体的な指示については、その歯科医院で必ず確認しておき、きちんと守りましょう。

自分に合ったインプラント麻酔を選ぶための3つのポイント

インプラント治療では、「局所麻酔」は必ず用いますが、それ以外の「静脈内鎮静法」「笑気ガス麻酔」「全身麻酔」といった麻酔を併せて使う場合、その選択方法には3つのポイントがあります。

  1. 痛み・不安の感じ方で選ぶ
  2. 健康状態とリスクで選ぶ
  3. 費用や通院環境も含めて判断する

それぞれのポイントについて解説していきます。

痛み・不安の感じ方で選ぶ

「局所麻酔」に併せて他の麻酔方法を使うかどうかは、歯科治療の痛みや不安の感じ方によって検討することがおすすめです。

歯科治療中の痛みは「局所麻酔」で十分に抑えることが可能ですが、患部が麻酔の効きにくい状態だったり、痛みに過敏だったりする人もいます。

また、麻酔の効果が十分に発揮されて痛みが抑えられていても押されるような感覚は残ります。そうした感覚にも過敏な人や、歯科治療に対する不安感や恐怖心が強い人は、追加で「静脈内鎮静法」や「笑気ガス麻酔」を使ってリラックスできるようにするとよいでしょう。

痛みや不安の感じ方に合わせて、「局所麻酔」に追加して「静脈内鎮静法」や「笑気ガス麻酔」を併用することを検討してみてください。

健康状態とリスクで選ぶ

インプラント治療で「局所麻酔」だけでなく他の麻酔方法の使用を検討する際、全身の健康状態とリスクによっても選択が変わります。全身の状態によっては使用できない麻酔方法もあるからです。

これまで解説してきたように、それぞれ次のようなケースでは適応できません。

「笑気ガス麻酔」ができないケース ・鼻呼吸ができなかったり鼻の疾患がある人
・妊娠初期の人
・体内に塞がれた空間ができる疾患(気胸や腸閉塞など)のある人
「静脈内鎮静法」ができないケース ・妊娠初期の人
・静脈内鎮静法で使用する薬剤にアレルギーがある人
・静脈内鎮静法で使用する薬剤が禁忌である人(重症筋無力症、急性狭隅角緑内障、HIVでプロテアーゼ阻害剤投与中の人)

また、完全に意識を失って人工呼吸が必要になる「全身麻酔」を歯科治療で必要とするのは、次に挙げるようなかなり特別なケースに限られています。

  • 上下顎すべてにインプラントを埋める大規模手術
  • 体の他の部位から骨を採取して顎全体の骨移植を伴う大規模な再建手術
  • 重い病気や障害があって局所麻酔や静脈内鎮静法では治療が困難な場合

こうしたケースに該当する場合は、大学病院や総合病院の口腔外科で麻酔科医の管理のもと安全に全身麻酔が行われ、インプラント治療が進められます。

自身の全身状態とリスクや治療の規模に応じて、「局所麻酔」に加えて他の麻酔方法を併用するかどうか決まります。実際にどれを併用することになるかは、治療する歯科医院でまずは相談が必要です。

費用や通院環境も含めて判断する

インプラント治療などの歯科治療で「局所麻酔」に加えて「静脈内鎮静法」や「笑気ガス麻酔」を使うかどうかを決める上で、その費用や通院環境も重要な要素になります。

例えば、麻酔の費用を含めて治療費の総額が自分の予算内におさまるか、治療を受ける歯科医院は自宅から通うのが大変ではないか、事前によく検討しておきましょう。歯科医院によって、「静脈内鎮静法」や「笑気ガス麻酔」を取り扱っているかどうかや、その費用は異なります。

また「静脈内鎮静法」は、治療後に自分で運転が必要な乗り物で帰宅することができません。交通公共機関で通院できる歯科医院で、「静脈内鎮静法」を行なうインプラント治療を受ける必要があります。

費用や通院環境も含めて、どの麻酔方法を追加してインプラント治療を受けるか選択しましょう。

静脈内鎮静法を用いた安心のインプラント治療なら永田歯科医院

永田歯科医院は、立川駅から徒歩7分と利便性が高く、高度なインプラント治療が可能な歯科医院です。

当院には、日本補綴歯科学会や日本口腔インプラント学会の専門医・指導医が在籍しており、複数の資格を持つ医師によるチーム医療体制で治療にあたっているのも特徴です。

さらに、静脈内鎮静や全身麻酔での治療も取り入れており、「オールオン4」や「ザイゴマインプラント」「骨再生治療」といった難症例にも対応。CTや歯科用マイクロスコープなど、大学病院レベルの高度な設備も充実しています。

全身麻酔も対応可能ですので、良質なインプラント治療を受けたいけど歯科治療に強い恐怖心のある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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まとめ:インプラント治療は麻酔の使用で痛みを感じずに受けられる

インプラント治療では必ず麻酔を使用しますが、具体的には次のようなものが挙げられます。

  • 治療部位の歯肉に行う「局所麻酔」
  • 患者の状態や希望によって併用する「静脈内鎮静法」
  • インプラントではほとんど使わない「全身麻酔」
  • 歯科医院によって扱っているところもある「笑気ガス麻酔」

「局所麻酔」は治療時に必ず使われますが、その他の麻酔法を追加で併用するかどうかは、その麻酔法の適応かどうかや患者の希望や状態によって決められます。

歯科治療に対して不安感や恐怖心が強い方では、特に「静脈内鎮静法」を併せて使うことが多く、取り扱っている歯科医院も増えています。

実際に自身のケースがどの麻酔方法を使えるかは、治療を行う歯科医院で相談しましょう。

参考文献
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https://jdsa.jp/publication/media-download/98/53167516ecde7cd0/PDF/,2017.
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